ユッカ＝ペッカ・サラステ

ユッカ＝ペッカ・サラステ

ユッカ＝ペッカ・サラステ（Jukka-Pekka Saraste, 1956年4月22日 - ）は、フィンランドを代表する著名な指揮者です。

経歴

サラステはヴァイオリン奏者としての音楽教育を受けた後、シベリウス音楽院にてヨルマ・パヌラに師事し、本格的に指揮法を学び始めました。この時の同級生には、後に同じく指揮者として世界的な活躍を見せるエサ＝ペッカ・サロネンやオスモ・ヴァンスカらがいます。若き日のサラステは、フィンランド放送交響楽団の第2ヴァイオリン奏者としてオーケストラの一員を経験。その後、レイフ・セーゲルスタムに師事し、1987年から2001年までの長きにわたり、フィンランド放送交響楽団の首席指揮者を務めました。

サラステは、アヴァンティ室内管弦楽団の創設メンバーの一人であり、タミサーリ音楽祭の発案者でもあります。音楽家としての多大な功績が認められ、2000年にはフィンランド政府から賞を授与されました。さらに、シベリウス協会からはシベリウス・メダルを授与されています。また、ヨーク大学から名誉博士号を授与されています。

フィンランド国外での活動も目覚ましく、1987年から1991年までスコットランド室内管弦楽団の首席指揮者を務めたのを皮切りに、1994年から2001年までトロント交響楽団の音楽監督、2002年から2005年にはBBC交響楽団の首席客演指揮者を歴任しました。2006年8月には、アンドレ・プレヴィンの後任としてオスロ・フィルハーモニー管弦楽団の音楽監督に就任（2013年まで）。2008年から2011年までラハティ交響楽団の首席客演指揮者兼芸術顧問、2010年から2019年までケルンWDR交響楽団の首席指揮者を務めました。

2023年からは、ヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者に就任しています。

人物

サラステは、緻密な音楽解釈と卓越した指揮技術によって、オーケストラから最大限の表現を引き出すことで知られています。特に、北欧音楽のスペシャリストとして知られており、シベリウスをはじめとする作曲家の作品解釈には定評があります。また、現代音楽にも積極的に取り組み、意欲的なプログラミングによって常に聴衆を魅了し続けています。

参考文献

ONTOMO MOOK『世界の指揮者名鑑866』音楽之友社、2010年。
上地 隆裕著『世界のオーケストラ(2)上 ～パン・ヨーロピアン 編～』株式会社 芸術現代社、2017年。ISBN 978-4-87463-206-2。

外部リンク

* Site de l'orchestre de chambre Avanti!

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