オズ (映画)

映画『オズ』（Return to OZ）

1985年に公開されたディズニー製作のファンタジーアドベンチャー映画『オズ』は、ライマン・フランク・ボームの児童文学作品『オズの魔法使い』の続編である『オズの虹の国』と『オズのオズマ姫』を原作としています。日本では1986年に公開されました。この映画は、公開当初はアメリカでの興行成績が芳しくなかったものの、豊富な特殊効果を使用し、アカデミー賞の視覚効果部門にノミネートされるなど評価を受けました。

スタッフ

本作の監督はウォルター・マーチが担当し、製作総指揮にはゲイリー・カーツが名を連ねています。脚本はウォルター・マーチとギル・デニスが共同で執筆し、製作はポール・マスランスキーによって行われました。また、撮影はデヴィッド・ワトキンとフレディ・フランシスが手掛け、特殊効果にはイアン・ウィングローブが関与しました。音楽はデヴィッド・シャイアによって作曲され、フジテレビ版では1990年に初回放送が行われました。

ストーリー

物語は1899年の秋、オズの国から無事にカンザスに帰った少女ドロシーから始まります。しかし、彼女の体験を信じてもらえず、さらに不眠症に悩まされるドロシーは、心配した叔父ヘンリーと叔母エムによってウーレイ医師の病院に連れて行かれます。ウーレイ医師は、オズの国のことがドロシーの脳の幻覚であると説明し、電気治療を行うことに。しかし、治療が始まる寸前に停電が起こり、ドロシーは見知らぬ少女に導かれ、病院から抜け出します。

新たな冒険の舞台はオズの国で、彼女は再びエメラルド・シティを訪れます。そこで見たのは、住人が石に変えられた廃墟と化した街でした。かかしであるスケアクロウの姿も見当たらず、ドロシーは危険なホイーラーズに追われる中、奇妙な鍵によって出会ったアニマトロニクスのティック・トックと共に、モンビ王女の元へ向かいます。

モンビ王女は、スケアクロウがノーム王に捕らえられたことを告げます。魔女である彼女は、ドロシーの“首”を自分のコレクションに欲しがり、ドロシーは城に監禁されます。そこでジャック・ザ・パンプキンヘッドと出会い、彼と共に脱出しようと奮闘します。

やがて、ノーム王に捕まったドロシーは、スケアクロウを取り戻すため命懸けのゲームに挑むことになります。辛くもゲームに勝利するものの、激怒したノーム王はジャックを食べようとしますが、ジャックの頭の後ろに隠れていたビリーナの卵を飲み込んでしまいます。これによりノーム王は崩れ落ち、ドロシーは奪われたルビーの靴を取り戻し、オズの国を復活させて再びカンザスへ帰ることになります。

解説

『オズ』は、オズ・シリーズの第2巻『オズの虹の国』と第3巻『オズのオズマ姫』の要素を組み合わせた作品で、ドロシーの不眠症や病院での治療というオリジナルエピソードが展開されます。この映画は1939年の『オズの魔法使』を意識しながらも、ミュージカル要素は取り入れられていません。

製作には、多くの映画スタッフが参加しており、特にウィル・ビントンスタジオのClaymation技術が評価されました。また、ジャックやビリーナ、ガンプ、ティック・トックには精巧なアニマトロニクスが使用され、映像のリアリティが増しています。

日本では、以前はVHSやLD版が発売されたものの、現在は日本語吹き替え版のBlu-rayは販売されていません。しかし、ディズニープラスでは日本語吹き替え版が視聴可能です。公開時にはタケカワユキヒデの楽曲「KEEP ON DREAMIN'」が使用され、多くの観客に印象を残しました。

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