オズワルド・チェンバーズ

オズワルド・チェンバーズの生涯と信仰

オズワルド・チェンバーズ（Oswald Chambers, 1874年6月24日 - 1917年11月15日）は、スコットランドのアバディーンで生まれ、生涯を通じてキリスト教プロテスタントバプテスト派の伝道者、神学校教師、そして説教家として活動しました。彼の深い霊性と、神への献身は、多くの人々に影響を与え、彼の著作は今日でも広く読まれています。

生い立ちと信仰の芽生え

1874年、バプテスト派牧師の家庭に生まれたチェンバーズは、幼少期から信仰深い環境で育ちました。16歳で洗礼を受け、ライ・レイン・バプテスト教会の会員となります。クリスチャンのスポーツ選手フラハーティーから信仰の指導を受け、C.H.スポルジョンの説教に触れて回心を経験しました。若い頃から霊的な探求に励み、貧しい人々への伝道活動にも積極的に参加しました。また、音楽と美術の才能にも恵まれ、芸術の道に進む可能性もありましたが、神への献身を選びます。

教育と献身

ナショナル・アート・トレーニング・スクールでの2年間の学びを経て、エディンバラ大学に進学したチェンバーズは、アレクサンダー・ワイト牧師から大きな影響を受け、献身を決意します。グラスゴー近郊のダヌーン聖書訓練大学に進み、W.クウォリから学び、卒業後は同大学で哲学教師を務めます。創設者ダンカン・マクグレゴーが負傷した後は、その職務も引き継ぎ、大学運営にも携わりました。

ホーリネス運動への参加と宣教活動

ダヌーン大学で教鞭を執る中で、チェンバーズはリチャード・ハリスの影響を受け、ペンテコステ祈祷連盟に関わるようになります。F.B.マイヤーの説教を通じて聖霊のバプテスマを求め、祈りを捧げました。ハリスは彼を「特別な力を持つ新たな説教者」として紹介し、その活動を支援しました。この時期、彼は日本のホーリネス運動家中田重治と出会い、世界宣教への関心を深めます。1907年には中田と共にアメリカ経由で日本へ渡り、ゴッズ・バイブル・スクールでの教育や、チャールズ・カウマンとの活動を通じて日本の教会に関わりました。また、柏木聖書学院も訪問しています。

結婚とバイブル・トレーニング・カレッジの設立

1907年末にイギリスへ帰国後、ホーリネス運動の分裂を目の当たりにします。異言をめぐる対立が激化する中で、チェンバーズは聖霊のバプテスマを受け入れた人々から批判を受けましたが、異言そのものを否定することはありませんでした。1908年にはアメリカを再訪し、後に妻となるガートルード・ホッブス（ビディー）と出会います。1910年に結婚した二人の間には、1913年に長女キャスリーンが誕生しました。ビディーは速記能力に長け、結婚前からチェンバーズの説教や授業を記録していました。1911年、チェンバーズはグレーター・[[ロンドン]]にバイブル・トレーニング・カレッジを設立し、校長として、あらゆる人々を受け入れました。経済的に困窮している人にも援助の手を差し伸べ、神の愛を実践しました。1915年までに100人以上の学生が学び、その多くが宣教師として世界各地へと派遣されました。

晩年と遺産

1915年、第一次世界大戦中に、YMCAチャプレンとしてエジプトに派遣され、英国連邦軍兵士の霊的な必要に応えました。戦場で兵士たちの物質的、精神的なケアに尽力する中、1917年11月15日に虫垂炎の破裂により、カイロで43歳という若さで生涯を閉じました。生前に出版した書籍は一冊のみでしたが、妻ビディーが残した講義や説教の記録をもとに、彼の死後30年をかけて30冊以上の書籍を出版しました。中でも『いと高き方のもとに』は、世界中で読まれ、多くの人々に霊的な導きを与え続けています。

主な著作

『いと高き方のもとに（My utmost for his highest）』
『「祈りの時」を変える黙想（Prayer,A holy occuoation）』
The Complete Works of Oswald Chambers
『限りなき主の栄光を求めて（My utmost for his highest）』



オズワルド・チェンバーズの生涯は、神への徹底した献身と、人への深い愛に満ちていました。彼の教えと著作は、今日においても多くの人々に霊的な糧を与え、信仰生活の指針となっています。

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