オニタビラコ属

オニタビラコ属（学名: Youngia）は、キク科に分類される植物の属の一つです。鮮やかな黄色の舌状花のみで構成される頭状花序を形成することが特徴で、その美しい姿は多くの人々の目を引きます。

特徴

花: 頭状花序は、数個から20個程度の小花が集まって形成されます。それぞれの小花は黄色い舌状花であり、他の色の花は見られません。
総苞: 総苞は内外2列に並び、外側の列は内側の列に比べて小さくなっています。全体の形状は円柱形で、果実が成熟するにつれて基部が竜骨状に隆起します。
痩果: 痩果は長楕円形で、やや扁平な形をしています。先端は細くなっており、多数の冠毛を備えています。
冠毛: 冠毛は、痩果の先端に付着しており、種子の散布を助ける役割を果たします。

ノゲシ属との違い

オニタビラコ属は、同じキク科のノゲシ属と形態が似ているため、しばしば混同されることがあります。しかし、両者には明確な違いがあります。

冠毛の基部: ノゲシ属の冠毛は、基部が互いに癒合しており、まとまって脱落する性質があります。一方、オニタビラコ属の冠毛は、基部が癒合しておらず、個々に脱落します。

この違いは、両者を識別する上で重要なポイントとなります。

分布

オニタビラコ属は、アジア地域に広く分布しており、その種類は20種に及びます。日本国内には、以下の4種が自生しています。

日本に分布する種

オニタビラコ (Youngia japonica)：日本各地に分布する代表的な種です。
ヤクシソウ (Youngia denticulata)：深裂する葉が特徴です。
クサノオウバノギク (Youngia chelidoniifolia)：ケシ科のクサノオウに似た葉を持つことが名前の由来です。
イワヤクシソウ（ナガバヤクシソウ） (Youngia yoshinoi*)：環境省により絶滅危惧種に指定されており、その保全が急務となっています。

オニタビラコ属の植物は、その美しい花や独特の形態によって、自然愛好家や研究者から注目を集めています。しかし、近年、生育地の減少や環境の変化により、その生息が脅かされている種も存在します。これらの植物を保護し、未来世代に引き継いでいくために、私たち一人ひとりが関心を持ち、行動することが求められています。

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