オバノン (DD-450)

オバノン（USS O'Bannon, DD/DDE-450）

オバノンは、アメリカ海軍のフレッチャー級駆逐艦であり、名艦としてその名を高めた。艦名は、1805年の第一次バーバリ戦争で果敢に戦ったプレスリー・オバノン大尉に因んで名付けられたもので、彼は「ダーネの英雄」としての功績を残している。この艦は、1941年にメイン州で起工し、翌年1942年に進水、1942年6月にはボストンで就役した。

主要な戦歴

オバノンは、第二次世界大戦、朝鮮戦争、ベトナム戦争の全てに従事し、その戦歴は輝かしいものである。特に第二次世界大戦中は、17個の従軍星章と殊勲部隊章を受章しており、これは当時のアメリカ海軍駆逐艦の中で最多の受章数を誇る。また、この艦は「ラッキー・オー」という愛称でも知られ、乗員に戦死者や負傷者を出さなかったことからその名が付けられた。

航海と戦闘の詳細

1942年、オバノンはカリブ海で訓練を行った後、太平洋の戦場へ向かう。ガダルカナル戦では、激しい戦闘に参加し、他の艦と共に従軍星章を受けるなど大きな活躍を果たした。その後の任務では、上陸部隊の防衛や艦砲射撃、敵潜水艦への警戒など多岐にわたる任務を遂行。特に、ヌーメアを拠点に「コパヒー」を護衛し、様々な任務を成功裏に終わらせた。

1943年には、ラッセル諸島付近で日本の潜水艦と遭遇し、艦砲による攻撃により奇跡的に潜水艦を撃沈したとされる。なお、伝説的に語られる「ジャガイモ事件」が発生したのもこの時期で、潜水艦への攻撃中に乗員がジャガイモを投げつけたというエピソードが広まり、今も語り草となっている。

朝鮮戦争とその後

戦後は、1949年に護衛駆逐艦に改装され、艦番号も変更された。1951年、オバノンは朝鮮戦争で再び活躍。その後、真珠湾沖で活動し、敵の目標や武器への砲撃を行うほか、艦載機の護衛など多様な任務に従事した。

ベトナム戦争と最期

1964年から1965年にはベトナム戦争に参加し、多くの艦載機支援任務や火力支援を行った。運用期間中には、様々な演習にも参加し、1962年の核実験にも関与した。1970年には退役し、その歴史に幕を下ろした。

オバノンは、約4,000名の乗員が勤務する中で数多くの栄光の歴史を刻む艦艇となり、その名は多くの人々に語り継がれている。

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