オブニンスク

オブニンスクは、ロシアのカルーガ州に位置する都市で、モスクワから南西に約102kmの場所にあります。人口は約12万5千人（2021年時点）で、モスクワとキエフを結ぶ主要な鉄道と高速道路が通過する交通の要所でもあります。

20世紀初頭まで、この地は小さな村でしたが、第二次世界大戦後、ソビエト連邦によって原子力発電所の建設が決定され、その従業員と研究者のための都市として発展しました。1956年には市制が施行され、正式に都市となりました。

オブニンスクは、ロシアにおける主要な「科学都市」（ナウコグラード）の一つであり、その中でも特に重要な役割を果たしています。1954年6月27日には、世界で初めて原子炉による商業用原子力発電が行われた場所として、その歴史に名を刻んでいます。さらに、ソビエト連邦最初の原子力潜水艦であるK-3「レーニンスキー・コムソモール」の乗組員が訓練を受けた地としても知られています。

現在、オブニンスクには12もの科学研究所が立地しており、原子力発電技術、放射線利用、宇宙開発、放射線医学、気象学など、幅広い分野で研究が進められています。1958年に建設されたオブニンスク気象学タワーは、高さ315メートルにも及ぶ鋼鉄製の塔で、街のシンボルとして親しまれています。

この都市は、国際的な交流も積極的に行っており、アメリカのオーク・リッジ（オークリッジ国立研究所の所在地）、中国の綿陽市、リトアニアのヴィサギナスと姉妹都市提携を結んでいます。これらの提携を通じて、科学技術や文化の交流が盛んに行われています。

オブニンスクは、その歴史的な背景と最先端の研究施設が共存する、独自の魅力を持つ都市と言えるでしょう。科学技術の発展に大きく貢献してきたこの都市は、今後も重要な役割を担っていくことが期待されます。

オブニンスクに関する詳細は、下記の外部リンクをご参照ください。

Official website （英語）
Information about Obninsk （英語）

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