綿陽市

綿陽市（めんよう-し）

綿陽市は中華人民共和国の四川[[省]]に位置し、成都市の次に大きな都市です。この地は古くから高い農業生産力を誇り、現在では電子工業や研究機関が集まる重要な地域となっています。市名の「綿陽」は北に位置する「綿山」と、過去に市街地が涪江の左岸にあったことに由来しています。

地理

綿陽市の面積は2万平方キロメートル以上にわたります。市区の面積は110平方キロメートルで、成都市からは約93キロメートルの距離にあります。市は東に南充市、西に徳陽市、南に遂寧市、北に広元市や甘粛[[省]]の隴南市などと接しています。

この地域は四川盆地の西北部にあり、北東から南西へ伸びる龍門山脈によって、市域の北部や西部は山岳地帯が広がっています。市域の61%は山地、丘陵は20.4%、平地は18.6%を占めています。特に平地は大きな川の近くに広がっており、可耕地面積は四位を占め、水田が多く見られ、年間三期作が可能です。

綿陽の気候は亜熱帯で、年平均降水量は1,100mmで湿度は71%に達します。気温は年間を通じて14.7度から17.3度で、夏には最高で39度、冬には最低-5度に達します。

市中心部には涪江、安昌江、芙蓉溪の三つの主要な河川が流れています。この中で涪江は嘉陵江の大きな支流で、岷山山脈から深い渓谷を一貫して流れています。また、2004年には三江大壩ダムが完成し、広大な人工湖が誕生しました。

民族と人口

綿陽には主に漢族が居住していますが、チベット族や羌族、回族といった少数民族も存在し、特に山岳部ではその姿が多く見受けられます。2010年の統計によれば、人口は約4,613,862人でしたが、10年間で556,279人減少しました。

歴史

綿陽の歴史は紀元前201年にさかのぼります。この年に漢朝が涪県を設置したことから、2200年以上の歴史が始まりました。また、伝説によれば黄帝の妃である嫘祖は市内の塩亭県出身で、夏王朝の創設者である禹の先祖とされています。

三国時代には戦略的な通路として注目され、「蜀道の咽喉」として知られました。多くの文豪もこの地に縁があり、漢代の詩人李白や北宋の欧陽脩など名だたる人物がこの地で生まれ、また活動しました。

行政区画

綿陽市は3つの市轄区（涪城区、遊仙区、安州区）、1つの県級市（江油市）、4つの県（平武県、梓潼県、三台県、塩亭県）、さらに1つの自治県（北川チャン族自治県）を管轄しています。

経済

周囲は農村地帯であり、農業が盛んな地域です。豚や牛、羊、さらには木材や果物も多く生産されています。電子業界も発展しており、長虹電器や九州電器など、大手企業が多く根を下ろしています。綿陽は四川[[省]]で2位となるGDPを誇り、1700.33億人民元（2017年）を達成しました。

交通

広域交通網も整備されており、綿陽南郊空港や宝成線、成綿高速道路などがあります。これにより、成都市などの他の地域とのアクセスが便利です。

教育

綿陽は「中国西部の科学都市」との名を持ち、多くの研究機関が集まる地域でもあります。中でも中国工程物理研究院や中国空気動力研究発展センターなどがあり、核開発や航空力学の研究が行われています。教育機関としては西南科技大学や綿陽師範学院など、多くの大学が存在し、技術者や科学者が育成されています。

健康・医療

市内には中心医院や複数の病院があり、地域の健康問題に取り組んでいます。総じて、綿陽市は歴史、文化、経済と様々な面から興味深い都市です。

もう一度検索