オブレノヴィッチ家

オブレノヴィッチ家：セルビアを統治した王家

オブレノヴィッチ家は、1815年から1842年、そして1858年から1903年までセルビアを統治した王家です。セルビアの歴史において重要な役割を果たしました。

歴史

オブレノヴィッチ家は、中世セルビア貴族オルロヴィッチ家の系統を引くとされています。ミロシュ・オブレノヴィッチ1世の継父であるオブレン・マルティノヴィッチが、マルティノヴィッチ＝オルロヴィッチ家の分家の一員であり、オブレノヴィッチの家名はこの人物に由来します。

初代ミロシュ・オブレノヴィッチ1世は、オスマン帝国に対する第二次セルビア蜂起を指導し、セルビア公国を成立させて権力を掌握しました。しかし、その統治は専制的な傾向があり、次第に民心を失っていきました。

オブレノヴィッチ家の統治は、アレクサンダル・オブレノヴィッチ5世の時代に終焉を迎えます。王妃選定問題で民心を失っていたアレクサンダル5世は、軍部内の黒手組組員の将校らによって殺害され、オブレノヴィッチ家の血統は途絶えました。これにより、オブレノヴィッチ家による専制君主政は終わりを告げ、カラジョルジェヴィッチ家による立憲君主政が新たに始まりました。

他のバルカン諸国（ギリシャ、ブルガリア、ルーマニアなど）とは異なり、セルビアは既存のヨーロッパ王室から君主を迎えることはありませんでした。オブレノヴィッチ家は、対立関係にあったカラジョルジェヴィッチ家と同様に、セルビア本国出身の王家でした。

歴代君主

セルビア公

ミロシュ・オブレノヴィッチ1世（在位：1815年 - 1839年、1858年 - 1860年）
ミラン・オブレノヴィッチ2世（在位：1839年6月25日 - 1839年7月8日）
ミハイロ・オブレノヴィッチ3世（在位：1839年 - 1842年、1860年 - 1868年）
ミラン・オブレノヴィッチ4世（在位：1868年 - 1882年）

セルビア王

ミラン・オブレノヴィッチ4世（在位：1882年 - 1889年）
アレクサンダル・オブレノヴィッチ5世（在位：1889年 - 1903年）

王族

マリヤ・オブレノヴィッチ - ミラン・オブレノヴィッチ4世の生母
ナタリヤ・オブレノヴィッチ - ミラン・オブレノヴィッチ4世の王妃
ドラガ・マシン - アレクサンダル・オブレノヴィッチ5世の王妃
ニコラ・ペトロヴィッチ＝ニェゴシュ - 現モンテネグロ王位請求者、ミロシュ・オブレノヴィッチ1世の兄弟の子孫

関連項目

* セルビアの歴史

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