オホーツク海気団

オホーツク海気団とやませの影響

オホーツク海気団の概要

オホーツク海気団は、オホーツク海の上空で形成される寒帯海洋性気団の一部です。この気団は主に寒冷で湿度の高い特徴を持ち、オホーツク海に広がる高気圧のほぼ全域を形作っています。このため、オホーツク海気団は寒冷かつ多湿な気候をもたらし、特に日本の北部地域に強い影響を及ぼしています。

やませの特徴

オホーツク海気団が特に強くなると、その影響で冷たく湿った北東の風、いわゆる「やませ」が吹き出します。やませは、日本の北海道から東北地方、さらに関東地方にかけて広がる太平洋側において、低温を引き起こすことがあります。やませによる冷害は多くの農作物に悪影響を及ぼし、特に米作りにおいて深刻な問題となることがあります。

やませがもたらす低温は、主に東北地方で問題視されます。たとえば、低温に強い稲が栽培される北海道に対し、高温に適した品種が多い東北では、特に冷害が深刻です。過去の例として、1980年や1993年には、奥羽山脈や三国山脈を挟んで日本海側と太平洋側で収穫量に大きな差が見られました。日本海側地域では、10a当たりの米の収穫量が約300kgに達する一方で、太平洋側北部では60kg前後と、凶作が見られることがありました。

やませによる気候の特徴

また、梅雨の時期にやませが影響を及ぼすと、東北地方の太平洋側や関東地域において気温の上昇が抑制され、「梅雨寒」と呼ばれる状態が現れます。これにより、大阪や名古屋と東京の間で気温差が10度以上も開くことがあり、時には東京が札幌より低い気温となることもあります。このように、やませは日本の気候に独特の影響を与えており、特に農作物の生育に多大な影響を及ぼします。

関連する気団

オホーツク海気団に関連するその他の気団には、例えば小笠原気団や揚子江気団、シベリア気団、赤道気団などがあります。これらの気団は、それぞれ異なる特性や影響を持っており、気象に対する理解を深めるための研究が行われています。

おわりに

やませは、オホーツク海気団の影響を受けた日本の気候において、大変重要な役割を果たしています。この現象は、特に農業にとっては天敵ともなり得る一方で、独特の気候パターンを形成する要因となっています。そのため、気象学的な観点からの研究が重要視されています。

もう一度検索