オリンピア (防護巡洋艦)

アメリカ海軍の歴史を語る防護巡洋艦「オリンピア」

「オリンピア」(USS Olympia, C-6/CA-15/CL-15/IX-40)は、アメリカ海軍が誇る防護巡洋艦であり、その艦名はワシントン州の州都オリンピアに由来します。特筆すべきはその長い艦歴と、数々の重要な任務への参加です。現在はフィラデルフィアで博物館船として一般公開されており、アメリカ海軍の歴史を今に伝える貴重な存在となっています。

起工から就役、そしてアジア戦隊旗艦へ

オリンピアは、1891年6月17日にカリフォルニア州サンフランシスコのユニオン鉄工所で起工されました。1892年11月5日にはアン・B・ディッキーによって進水し、1895年2月5日、ジョン・J・リード大佐の指揮下で正式に就役しました。就役後、オリンピアはアジア戦隊の旗艦として重要な役割を担うこととなります。

米西戦争での輝かしい戦歴

オリンピアの艦歴の中で最も特筆されるのは、米西戦争における活躍です。マニラ湾海戦を含む数々の戦闘に参加し、その卓越した戦闘能力を証明しました。特に、ジョージ・デューイ代将が「きみの準備ができたら撃っていいぞ、グリッドレイ艦長」と発した有名な命令は、この艦上で下されたものです。この命令により、パトリコ・モントージョ将軍率いるスペイン艦隊を撃退しました。現在、艦上にはデューイ提督が命令を発したとされる場所が示され、展示されています。

その後の活動と役割の変遷

米西戦争後も、オリンピアは様々な任務に携わりました。1902年から1906年まで、大西洋、カリブ海、地中海で活動し、1909年からは海軍兵学校の訓練艦として不定期任務に就きました。1912年から1916年までは、サウスカロライナ州チャールストンでバラック船として使用された後、再び現役復帰を果たしました。

第一次世界大戦から終戦直後にかけては、大西洋、北極海、そして地中海で活動し、その存在感を示しました。1920年7月17日にはCA-15（重巡洋艦）、1921年8月8日にはCL-15（軽巡洋艦）へと艦種変更されています。さらに、1921年10月11日には、アーリントン国立墓地の無名戦士の墓に納められる第一次世界大戦の無名戦士の遺骸を輸送するという重要な役割も担いました。

退役、そして博物館船として

オリンピアは1922年12月9日に退役し、1931年6月30日にはIX-40（雑役船）へと艦種が変更されました。1957年9月11日には、巡洋艦オリンピア協会に移管され、1898年当時の姿に復元されました。その後、同協会の管理下で1995年まで公開されましたが、協会が負債を抱えたため、巡洋艦オリンピア協会と1996年1月1日に合併し、現在はペンシルベニア州フィラデルフィアのインディペンデンス・シーポート・ミュージアムで、米西戦争を経験した唯一の現存艦として公開されています。さらに、海軍予備役訓練部隊の学生たちが定期的にメンテナンスを行っており、その保存に貢献しています。

まとめ

オリンピアは、アメリカ海軍の歴史を象徴する重要な艦であり、その長い艦歴の中で数々の歴史的出来事に関わってきました。米西戦争での活躍、大戦中の任務、そして博物館船としての役割まで、その存在はアメリカ海軍の歴史を語る上で欠かせないものです。フィラデルフィアを訪れた際には、ぜひこの歴史的な艦船に触れ、その偉大さを感じてみてください。



関連情報
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外部リンク
History.navy.mil: USS Olympia - ウェイバックマシン（2004年3月13日アーカイブ分）
USS Olympia
Independence Seaport Museum: USS Olympia
Cruiser Olympia at Spanish-American War Centennial website
* HNSA Ship Page: USS Olympia

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