オリンピックのコソボ選手団

オリンピックのコソボ選手団

コソボ選手団は、2016年リオデジャネイロオリンピックで夏季オリンピックに、2018年平昌オリンピックで冬季オリンピックに初めて参加しました。選手団を統率するのは、1992年に創設され、2014年12月9日にIOCによって正式に承認されたコソボオリンピック委員会です。

概要

1920年アントワープオリンピックから1992年アルベールビルオリンピックまで、コソボ在住の選手は旧ユーゴスラビアの一員としてオリンピックに参加していました。1960年ローマオリンピックでは、コソボ出身のミルティン・ショシュキッチ、ファフルディン・ユスフィ、ヴラディミル・ドゥルコヴィッチの3名のサッカー選手がユーゴスラビア代表として金メダルを獲得しました。1984年ロサンゼルスオリンピックでは、ボクシングのアジズ・サリフがコソボ出身者として初の個人戦でのメダルとなる銅メダルを獲得しました。

ユーゴスラビア崩壊後、コソボに居住する少数派のセルビア人選手のみが、セルビア及びセルビアモンテネグロの一員としてオリンピックに参加してきました。2008年2月17日にコソボがセルビアからの独立を宣言して以降も、コソボのセルビア人選手はセルビアの旗の下でのオリンピック参加を選択しました。一方、コソボに居住する多数派のアルバニア人はコソボからのオリンピック出場を模索しました。

その1人である柔道女子52kg級のマイリンダ・ケルメンディは、2009年の世界ジュニアチャンピオンです。彼女は2012年ロンドンオリンピックにコソボ代表としての出場を望みましたが、当時はコソボオリンピック委員会がIOCに承認されていなかったため、それは叶いませんでした。ケルメンディは「個人参加選手団」の一員としての出場も検討しましたが、アルバニアのパスポートも所有しており、アルバニア代表として国際大会に出場した経験があったため、IOCに拒否されました。IOCは、アルバニアオリンピック委員会が既にケルメンディをアルバニア代表として選出しており、IOCがアルバニアに支給したオリンピック奨学金も受給している状況を考慮し、アルバニア代表として出場することが適切であると判断したのです。そのため、ケルメンディは隣国のアルバニア代表としてオリンピックに出場せざるを得ませんでした。

コソボオリンピック委員会は1992年に創設されました。2014年10月22日にはIOCに暫定加盟が認められ、同年12月9日にはモナコで開催された第127次IOC総会において正式加盟が承認されました。当時、コソボは国連の加盟国でも国連オブザーバーでもありませんでしたが、193の国連加盟国のうち108ヶ国から主権国家として承認されていました。

2016年リオデジャネイロオリンピックの開会式には、2013年と2014年の世界チャンピオンであり、2014年のヨーロッパチャンピオンでもあるマイリンダ・ケルメンディがコソボ選手団の旗手として参加しました。ケルメンディは柔道女子52kg級に出場し、金メダルを獲得。コソボはオリンピック初出場にして金メダルを獲得するという快挙を成し遂げました。2020年東京オリンピックでも、柔道の女子48kg級でディストリア・クラスニキ、女子57kg級でノラ・ジャコヴァがそれぞれ金メダルを獲得し、コソボの存在感を世界に示しました。

メダル獲得数一覧

夏季オリンピック競技別

脚注

外部リンク

コソボオリンピック委員会
オリンピックのコソボ選手団 - Sports-Reference.com (Olympics) のアーカイブ (英語)
* オリンピックのコソボ選手団 - Olympedia（英語）

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