オルズベック・ナザロフ

オルズベック・ナザロフ

オルズベック・ナザロフ（Orzubek Nazarov、1966年8月30日生まれ）は、ウズベク人のプロボクサーで、キルギス共和国のカント出身です。彼はボクシング界で数多くの功績を残しており、特にWBA世界ライト級王座を獲得した選手として知られています。

来歴とプロデビュー

1989年の秋、ナザロフは当時のソ連から日本に渡り、協栄ボクシングジムにスカウトされました。同じ時期に来日したボクサーには、後のWBC世界フライ級王者、勇利アルバチャコフなどがいます。彼は1990年2月1日、「グッシー・ナザロフ」というリングネームでプロデビューし、初戦で日本の西沢誠を相手に初回KO勝ちを収めました。

日本ライト級王座獲得

ナザロフは1991年4月22日に行われた試合で、日本ライト級王座を獲得しました。この王座は彼が2度防衛した後、返上することになります。1992年5月11日には、12戦目にしてOPBF東洋太平洋ライト級王座も手に入れ、ここでも5度の防衛を達成しました。

世界王座への挑戦

ナザロフは1993年10月21日に南アフリカでWBA世界ライト級王者ディンガン・トベラに初挑戦し、試合は激しい展開となりました。彼は4回にダウンを奪われましたが、12回にダウンを奪い返し、判定勝ちで無敗のまま世界王座を獲得しました。この成功を受けて、彼はリングネームを本名に変更しました。

1994年3月19日、ナザロフはトベラとの再戦で再び勝利し、王座防衛に成功しました。しかし、彼の試合は国内の対戦相手に比べて知名度が低く、観客動員が厳しい状態でした。このため、試合が行えない状況に直面し、1996年には仲介を経てフランスに移籍することを決断します。

フランスでの活動と引退

フランス移籍後の1997年5月10日には、約1年ぶりの試合を行い、相手を7回TKOで下しました。その後、彼はノンタイトル戦を2度行い、いずれも勝利を収めました。しかし、1998年5月16日の7度目の防衛戦でジャン＝バチスト・メンディに判定負けを喫し、4年半の王座保持を終えました。この試合を最後に、ナザロフは現役を引退しました。

戦績とタイトル

ナザロフのアマチュア時代の戦績は175戦153勝（80RSC）12敗、プロ戦績は27戦26勝（19KO）1敗です。彼の獲得したタイトルには、1987年ヨーロッパ・アマチュアボクシング選手権ライト級優勝、日本ライト級王座、OPBF東洋太平洋ライト級王座、WBA世界ライト級王座が含まれます。

ナザロフはボクシング界で多くのファンに愛され、優れたボクサーとしての評価を受け続けています。

もう一度検索