勇利アルバチャコフ

勇利アルバチャコフのプロフィール

勇利アルバチャコフ（本名：ユーリ・ヤコヴレヴィチ・アルバチャコフ、1966年10月22日生まれ）は、ロシアのケメロヴォ州タシュタゴル出身のプロボクサー及びボクシングトレーナーです。アジア系ロシア人として知られ、特にテュルク系ショル人に属します。彼は協栄ボクシングジムに所属し、元WBC世界フライ級王者として名を馳せました。特筆すべきは、彼が9度の防衛に成功し、これは日本のジムに所属する選手の中で、同級の連続防衛記録として過去最多となっています。

来歴

アルバチャコフは、アマチュアボクシングの世界王者としての輝かしいキャリアを持っています。ペレストロイカの時代に、日本の協栄ボクシングジムに入門し、スラフ・ヤノフスキーやオルズベック・ナザロフと共に成長しました。彼のプロデビューは、1990年2月1日に「チャコフ・ユーリ」というリングネームでバンタム級で果たしました。

1991年3月には初めて日本王座に挑む予定でしたが、当時のチャンピオンであったピューマ渡久地が試合前に失踪し、試合は中止となりました。渡久地はその後、王座を剥奪されました。ユリはその後、リングネームを改名し、「ユーリ海老原」と名乗ることにしました。

同年7月、空位となった日本フライ級王座決定戦に出場し、水野隆博と対戦。初回に3度のダウンを奪い、見事に王座を獲得しました。その後、1992年には世界初挑戦を果たし、タイのムアンチャイ・キティカセムを相手にWBC世界フライ級王座を獲得しました。

防衛戦と波乱の試合

ムアンチャイとの再戦では、難しい条件下でも勝利を収め、これは歴史的な試合の一つとして高く評価されました。この試合は、日本のジムに所属するボクサーによるタイでの初勝利でもあり、現在までにJBC公認の勝利としては唯一のものです。勇利はその後も防衛を重ね、1993年にはリングネームを「勇利アルバチャコフ」と改名しました。

彼の最後の防衛戦は1996年で、久しぶりに古巣の渡久地との再戦が実現しました。9回TKO勝利を収めましたが、同時に右手の中指を骨折し、大きな怪我を負ってしまいました。この試合も年間最高試合の一つに選ばれるほどの内容でした。

引退とその後

1997年に、長期の休養を経て行われた防衛戦で、以前の対戦相手チャッチャイ・ダッチボーイジムに敗れ、これを最後に現役を引退することになりました。1999年には引退式を行い、その後は「いわき協栄ボクシングクラブ」のトレーナーとして活躍しました。

現在、勇利アルバチャコフはロシアに帰国し、サンクトペテルブルクに居住しています。彼の豊かなキャリアと戦績は、日本のボクシング界において重要な位置を占めており、多くのボクサーに刺激を与え続けています。

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