オルトロスの犬

オルトロスの犬



『オルトロスの犬』は、2009年にTBS系列で放送された日本のテレビドラマです。金曜ドラマ枠にて放送されたこの作品は、主演に滝沢秀明を迎え、全9話で構成されています。

概要


このドラマは、異なる能力を持つ二人の男の出会いとその後の展開を描いたサスペンスです。一方はあらゆる病気や怪我を治す力を持つ冷酷な男・竜崎臣司、もう一方は触れただけで人を殺す「悪魔の手」を持つ優しい青年・碧井涼介です。二人は女子大生不審死事件を巡る捜査の中で出会い、それぞれの能力を通じて深く絡み合った運命を辿っていきます。

この作品のユニークな点は、アメリカのドラマスタイルを取り入れた脚本制作方法です。複数の脚本家が協力し、チーフ脚本家がそれをまとめる形で物語が進められています。滝沢の主演は大河ドラマ以来約4年ぶりであり、彼の魅力を再び表現する機会ともなりました。

「オルトロス」というタイトルは、ギリシャ神話に登場する二つの頭を持つ犬にちなんでおり、ドラマのテーマにも合致した意味深い名前です。

ストーリー


物語は、女子大生の不審死事件を追う刑事・長谷部渚の視点から始まります。渚は、主犯・熊切勝に命を狙われているところを碧井に救われ、彼の秘密とそれに関わる事件に巻き込まれていきます。碧井の能力を調査する中で、彼とは正反対の「神の手」を持つ竜崎との接点を見つける渚。

やがて、竜崎が自身の能力を利用して拘置所から脱走し、物語はさらに複雑化します。「神の手」と「悪魔の手」で織り成される人間関係や意図が絡み合い、サスペンスフルな展開へと進んでいくのです。

登場人物


主要人物


傷や病を治す「神の手」を持ちながら、冷酷な性格で能力を自らの条件下でしか利用しません。過去には多くの人々との関係が複雑に絡み合っています。

才能ある教師で、心優しい性格。しかし、触れただけで人を殺める力に苦しむ青年です。竜崎の影響を受け、自らの能力と向き合う決意をすることになります。

突っ走る性格の女性刑事で、事件の解決に全力を尽くします。シングルマザーとしての一面も持ち、母としての愛情深さが垣間見えます。

この他にも、物語に関与する様々なキャラクターがおり、それぞれの思惑が複雑に絡み合いながら展開されていきます。

制作と放送


『オルトロスの犬』は、当初全10話の予定でしたが、主演の錦戸亮インフルエンザに感染したことにより、最終的には9話に短縮されました。その中で緊急生放送特別編が設けられ、放送の前後に主要キャストによるドラマの宣伝や感染経緯の説明が行われるなどしました。

このドラマは、神の手と悪魔の手という相対する力を持つキャラクター同士の葛藤と、それに伴う人間ドラマが深く描かれており、視聴者に命の重みや選択の難しさを考えさせるような作品となっています。

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