オルミュッツ包囲戦

オルミュッツ包囲戦 (1758年)

オルミュッツ包囲戦は、七年戦争中の1758年5月4日から7月2日にかけて行われた、プロイセン王フリードリヒ2世によるオーストリアに対する攻城戦です。当初は決定的な軍事行動として計画されましたが、オーストリア軍による補給線の遮断とプロイセン軍補給部隊の奪取により、最終的に頓挫しました。

背景

1757年の戦役は、ロイテンの戦いにおけるプロイセン軍の大勝利で幕を閉じました。その後、ブレスラウやシュヴァイトニッツも陥落し、プロイセン軍は勢いを増しました。1758年の戦役が始まる頃には、イギリスがプロイセンを支援し、資金援助を行うことが決定しました。これにより、フリードリヒ2世はフランス軍に対する勝利も得て、行動の自由を得ていました。彼はザクセンからモラヴィアに進軍し、オーストリア軍との決戦に臨むことで、ロシア軍と戦うための戦力を確保しようとしました。

侵攻の準備

フリードリヒ2世は、モラヴィアのオルミュッツへの遠征を開始しました。オルミュッツ要塞を攻略すれば、オーストリア軍の主力をドナウ川に拘束できると考えました。プロイセン公子ハインリヒにはザクセンにあるプロイセン軍の拠点防衛が命じられ、ドーナ伯の軍団はスウェーデン軍とロシア軍から中核地帯を守ることになりました。ツィーテン中将には、ニーダーシュレーズィエンの確保が命じられました。

プロイセン軍は過去に4度オルミュッツ要塞を攻撃しており、その経験を踏まえ、オーストリア軍はオルミュッツの防衛設備を強化していました。駐留軍は増強され、7千5百名を数え、市民も武装していました。食料や弾薬も豊富に備蓄されていました。指揮官は歴戦のエルンスト・ディートリヒ・マルシャル・フォン・ブルクホルツハウゼンが務めました。

経過

4月29日、プロイセン軍はモラヴィアに進軍を開始しました。しかし、冬の遅れにより進軍は遅れ、オルミュッツに到着したのは5月4日でした。包囲を指揮したのはヤーコプ・フォン・カイト元帥で、1万1千名の兵を率いていました。しかし、その兵力では町を完全に包囲することはできず、補給を完全に遮断することはできませんでした。

5月27日、プロイセン軍は最初の攻城用の塹壕を掘り始めました。30日には大砲と臼砲からなる砲台が完成し、砲撃が開始されました。守備隊も応戦し、激しい攻防が繰り広げられました。実質的な包囲は約1か月続き、プロイセン軍は要塞の外堡を破壊しましたが、オルミュッツの守備軍も反撃を繰り返し、双方に多くの死傷者が出ました。

オーストリアでは、オルミュッツが陥落するとプロイセン軍がプラハやウィーンまで進軍する可能性があるため、恐慌状態に陥りました。しかし、マリア・テレジアは抵抗を決意し、ダウン元帥を新たな総司令官に任命しました。ダウン元帥はプロイセン軍との決戦を避けつつ、急襲や小規模な攻撃でプロイセン軍を弱体化させ、オルミュッツへの増援に成功しました。

プロイセン軍では包囲の長期化により弾薬や補給が不足し、フリードリヒ2世の成功は補給の到着にかかっていました。しかし、6月30日、ハンス・ヨアヒム・フォン・ツィーテン中将率いる輸送部隊がドームシュタットルでオーストリア軍の待ち伏せに遭い、大半の補給物資を奪われました。この結果、フリードリヒ2世はわずか2日後に包囲の中止を余儀なくされました。

その後

フリードリヒ2世はボヘミアへ撤退し、ダウン元帥に決戦を挑もうとしましたが、オーストリア軍は防備を固めていました。同時にロシア軍が東方から進軍してきたため、フリードリヒ2世はボヘミアとモラヴィアからの撤退を余儀なくされました。この撤退は、8月のツォルンドルフの戦いに繋がりました。

参考文献

Josef August Bartsch: Olmütz im Jahre 1758 und seine frühere Kriegsgeschichte. Denkschrift zur hundertjährigen Jubiläumsfeier des Entsatzes am 2. Juli 1758. Olmütz, 1858, Digitalisat
Marian Füssel: Der siebenjährige Krieg. Ein Weltkrieg im 18. Jahrhundert. München, 2010 S. 45f.
Johannes Kunisch: Friedrich der Grosse: der König und seine Zeit. München, 2004 S. 385f.
Francis Smith: Die Kriege vom Altertum bis zur Gegenwart. Berlin u.a. 1911 S. 457

外部リンク

* Kurzdarstellung des österreichischen Nationalarchivs

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