オルリスタット

オルリスタットとは

オルリスタット（Orlistat）は、肥満を治療するための医薬品で、主に体重管理を目的として使用されます。この薬剤は、国際的にはロシュが販売する「Xenical（ゼニカル）」や、グラクソ・スミスクラインの商品名「Alli（アライ）」として知られています。日本では、大正製薬が製造を行い、2023年2月17日に厚生労働省からダイレクトOTCとしての製造承認を受け、「アライ」という名前で販売されています。また、オルリスタットの類似薬として知られているのがセチリスタットです。

効果と作用機序

オルリスタットは、経口服用することで腸内のリパーゼと呼ばれる酵素に作用し、食物から摂取した脂肪の吸収を抑制します。具体的には、食物中の脂質が腸管から体内に取り込まれるのを阻害し、未吸収の脂肪は大便として肛門から排泄されます。これにより、体重の減少が期待できます。研究によると、アメリカでの治験では1年間の投与により、体重が5%減少した成人は約60%、10%減少した成人は約27%に上ったという結果が報告されています。一方、偽薬群では5%体重減少が31%、10%減少が11%という結果が見られました。

オルリスタットの服用開始から体重の変化が現れるまでには、通常2～3週間程度かかり、外見的な変化が感じられるのはおおよそ6～12か月後です。したがって、オルリスタットを使用する際は、継続的な服用が重要です。

副作用と注意点

オルリスタットは、脂肪の吸収を抑えることで効果を発揮しますが、同時に脂溶性ビタミン（ビタミンA、D、E、K、βカロテン）の吸収も妨げる場合があります。このため、これらのビタミンの摂取を増やす必要があり、特にアメリカ食品医薬品局（FDA）はオルリスタットとともに毎日脂溶性ビタミンの補助剤を服用することを推奨しています。研究結果では、βカロテンとビタミンEの血漿中濃度が統計的に有意に減少したことが示されています。

また、オルリスタットによって多くの脂肪が体外に排泄されるため、特に脂肪を多く含む食品を摂取した場合、肛門から脂肪が漏れ出すことや、便意の制御が難しくなることがあるため、注意が必要です。例えば、バラムツやアブラソコムツといった脂肪分の多い食物を食べた際には、このような副作用が強く現れる可能性があります。

まとめ

オルリスタットは、肥満治療において効果が期待できる薬剤でありますが、使用する際には副作用についても十分に理解しておくことが重要です。特に脂溶性ビタミンの不足に対処するための対策が求められます。健康的なダイエットと合わせて、適切に利用することで、より良い結果を得ることができるでしょう。ダイエットを行う際には、医師の指導を仰ぎつつ、安全に進めることが大切です。

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