オンライン整数列大辞典

オンライン整数列大辞典（OEIS）

オンライン整数列大辞典、通称OEIS（On-Line Encyclopedia of Integer Sequences）は、整数列に関する情報を提供する無料のオンラインデータベースです。このデータベースには、2018年3月時点で30万を超える整数列が登録されており、同類のデータベースの中でも最大規模を誇ります。ユーザーは、英単語や数列の一部を入力することによって、目的の数列を検索することができます。各数列には、名前や由来、参考文献、公式、キーワードといった詳細な情報が記載されており、利用者は多様な視点から数列を楽しむことができます。また、OEISでは、数列を特定の規則に従って音楽に変換したものを聴くこともでき、このような遊び心から、数学の専門家のみならず、数学パズルに興味がある一般のユーザーにも広く利用されています。

歴史の背景

OEISの起源は1960年代中頃に遡ります。アメリカの数学者ニール・スローンは、組合せ論に関する研究のために自身の整数列のコレクションを作成し始めました。当初はパンチカードを使用してデータを整理しており、スローンはそのコレクションを二度にわたり書籍として出版しました。最初の書籍『A Handbook of Integer Sequences』（1973年）は約2400個の数列を収録し、次の『The Encyclopedia of Integer Sequences』（1995年）では5487個の数列が含まれ、特に2冊目は広く評価を受けました。

1994年には、数列の数が16000を超えたため、スローンは電子メールを通じたサービスを開始し、1995年にはOEISのウェブサイトが公開されました。これにより、新しい整数列の登録が一層容易になり、1998年には『Journal of Integer Sequences』という学術雑誌も創刊されました。2002年には編集委員会が設立され、2009年まで多くのボランティアによってデータベースは維持されてきました。この間、OEISには毎年約1万の新しい数列が追加され、2004年11月には数列の総数が10万を超えました。そして、2009年にはMediaWikiを用いたページが開設され、知的財産権もOEIS財団に引き継がれました。

また、OEISの項目には、全て6桁の識別番号が付与され、番号の先頭には「A」が付きます。例えば、A000796はOEISでの正式な表記として認知されています。数列の各項がどう定義されるかについて、OEISではいくつかの暗黙の了解が存在し、数列fの第n項はf(n)として表されるなどの規則が定められています。

サイトの利用方法

OEISは数列の探索を効率的に行えるよう、いくつかの検索手段を提供しています。まず、数列の一部を入力することで、それらの数を含む数列を検索できます。この際、数を空白またはコンマで区切ることができ、当然ながらコンマ区切りを用いるとその項の並びも指定したことになります。特に、項目が多い場合は、a(2)からa(7)までを指定することで検索結果が絞り込まれ、効率的に目的の数列を見つけやすくなります。

また、特定のアルファベットや記号を用いることで、数列名やキーワードによる検索も可能です。この際、ギリシャ語の接頭辞ではなく、n-gonal numbersのように表現することが求められます。さらに各数列に割り振られたIDを入力して特定の数列をピンポイントで調べることもできます。このような多様な機能により、OEISはユーザーにとって非常に便利でアクセスしやすいリソースとなっています。

結論

OEISは整数列に関する豊富な情報を提供し、数学の専門家や愛好者のための貴重なツールとして機能しています。特に、オンラインでの利用が可能なため、世界中の誰もが簡単にアクセスできることが最大の魅力です。数列を通じて数学の奥深さを探求し、新たな発見をするための強力な手段であるOEISは今後も多くの人々に利用され続けることでしょう。

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