MediaWiki

MediaWikiについて

MediaWikiは、GNU General Public Licenseで配布されているオープンソースのウィキソフトウェアです。本ソフトウェアは主にPHPで開発されており、データベースとしてMySQLやPostgreSQL、またはSQLiteに対応しています。また、MariaDBにも対応している点が特徴的です。

概要

MediaWikiはウィキペディア用にマグナス・マンスキー氏によって開発されました。最初は「UseModWiki」を使用していましたが、2002年1月25日に新しいソフトウェアへ移行しました。この日が「Magnus Manske Day」と称され、ウィキペディアコミュニティにおいて重要な日として定着しています。その後、「Phase II」の改良版が「MediaWiki」として正式に名称変更されました。この名称は、ウィキペディアの母体であるウィキメディア財団に由来していますが、その類似性から混乱を招くこともあります。

開発の歴史

ウィキペディアがスタートした2001年1月、当初はUseModWikiという既存のソフトウェアに依存しており、全てのウィキページはテキスト形式で保存されていましたが、その機能面やパフォーマンスの限界が次第に露呈しました。2001年半ば、マグナス・マンスキー氏はウィキペディアのための新しいソフトウェアを開発し始め、PHPとMySQLを使用するこの新しいシステムは、2002年1月に英語版ウィキペディアに導入されました。

その後、利用者の増加に伴ってソフトウェアの読み込み速度の問題が顕在化したため、リー・D・クロッカー氏が主導して「Phase III」での改良が行われました。これによって、2002年7月にウィキペディアの新システムが開始されることになります。2003年6月には、ウィキメディア財団が設立され、その後「MediaWiki」という名称が提案され、同年8月から正式に使用されるようになりました。

ロゴと象徴

MediaWikiのロゴはエリック・メラー氏の手によるもので、当初は2003年に行われたウィキペディアのロゴデザインコンテストに提出された作品が3位に入賞し、最終的にMediaWikiのロゴとして採用されました。また、ヒマワリを挟む二重の角括弧（ ）は、MediaWikiが他のウィキページに対するハイパーリンクを形成するための象徴的な構文です。

主な機能と変更点

MediaWikiは様々なアップデートを経て、その機能を拡大しました。2004年にはカテゴリシステムが追加され、2006年には構文解析機能が追加されました。さらに、2008年にはFlagged Revisions機能が加わり、2011年にはResourceLoaderという新しいCSSおよびJavaScript管理システムが実装されました。そして、2013年にはVisualEditorが導入され、ユーザーがより直感的にコンテンツを編集できるようになりました。

2020年には新しいロゴのデザイン公募が行われ、2021年4月1日より2代目のロゴが正式に使用されています。これにより、MediaWikiはますます進化を遂げています。

利用状況

MediaWikiは自由にダウンロードして利用することができ、多くのウィキメディアプロジェクトや関連するウェブサイトで使用されています。ウィキペディアの他にも、アンサイクロペディアやCitizendiumといったウィキ式百科事典でも利用されています。また、企業内での採用例も多数存在します。特にアメリカ政府内では、インテリペディアや外交ペディアなどでの使用が顕著です。

国連機関においても、様々なプロジェクトがMediaWikiを採用しています。フリーソフトウェア財団のウェブサイトなどでも用いられるなど、その汎用性が広まっています。

バージョン履歴

MediaWikiの初版は2003年12月に「1.1」として公開され、多くのフィードバックやバグ修正を経て進化し続けています。これにより、MediaWikiはダイナミックで多様なソフトウェアとして、多くのプロジェクトで役立っています。

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