ニール・スローン

ニール・ジェームズ・アレクサンダー・スローン（Neil James Alexander Sloane、1939年 - ）は、アメリカを代表する数学者の一人であり、その研究は組合せ論、誤り訂正符号、そして球の詰め込みといった多岐にわたります。特に、オンライン整数列大辞典（OEIS）の創始者として世界的に知られており、数学における重要なリソースを提供しています。

生い立ちと学歴

スローンはウェールズのボーマリスで生まれ、メルボルン大学を卒業後、アメリカのコーネル大学に進学しました。コーネル大学では、ニコラス・デクラリス、フランク・ローゼンブラット、フレデリック・ジェリネク、ヴォルフガング・ハインリヒ・ヨハネス・フックスといった著名な教授陣のもとで学び、1967年に電気工学の博士号を取得しました。彼の博士論文は「ランダムニューラルネットワークにおける周期時間の長さ」というテーマでした。

キャリア

1968年、スローンはベル研究所に入所し、1998年にはフェローに任命されました。また、IEEE（電気電子学会）のフェローであり、全米技術アカデミーやアメリカ数学会の会員でもあります。1979年にはショーヴネ賞を受賞するなど、数々の栄誉に輝いています。

研究分野と業績

スローンの主な研究分野は、組合せ論、誤り訂正符号、そして球の詰め込みです。これらの分野において、彼は多くの重要な発見をし、数学の進歩に大きく貢献しました。特にオンライン整数列大辞典は、数学研究者にとって欠かせないツールとなっており、彼の最も重要な業績の一つと言えるでしょう。このデータベースは、数々の整数列とその性質に関する情報を提供し、数学的な発見を促進しています。

エルデシュ数

スローンのエルデシュ数は2です。これは、数学者の間で、論文の共著者関係を通じて、ハンガリーの数学者ポール・エルデシュとの距離を表す数値です。スローンの場合、ジョン・ホートン・コンウェイとの共著「球の詰め込み、格子および群」を通じてエルデシュとのつながりがあることが示されています。

人物像

スローンは数学の研究以外にも、ロッククライミングを趣味としています。彼はニュージャージー州のロッククライミングガイドブックを執筆するなど、多才な人物としても知られています。

主な著書

スローンは多数の著書を執筆しており、その中でも特に有名なものとして以下が挙げられます。

『整数列ハンドブック』（A Handbook of Integer Sequences, 1973）
『誤り訂正符号の理論』（The Theory of Error-Correcting Codes, 1977, F. J. MacWilliamsとの共著）
『アダマール変換光学』（Hadamard Transform Optics, 1979, M. Harwitとの共著）
『クロード・エルウッド・シャノン論文集』（Claude Elwood Shannon: Collected Papers, 1993, A. D. Wynerとの共編）
『整数列百科事典』（The Encyclopedia of Integer Sequences, 1995, S. Plouffeとの共著）
『球の詰め込み、格子および群』（Sphere Packings, Lattices and Groups, 1998, J. H. Conwayとの共著）
『直交配列：理論と応用』（Orthogonal Arrays: Theory and Applications, 1999, A. S. Hedayat and J. Stufkenとの共著）
『自己双対符号と不変理論』（Self-Dual Codes and Invariant Theory, 2006, G. Nebe, E. M. Rainsとの共著）

これらの著書は、それぞれの分野における重要な文献として、現在でも広く参照されています。

外部リンク

Neil Sloane (home page)
IEEE, "Neil J. A. Sloane"

ニール・スローンは、その卓越した研究業績と、数学界への多大な貢献により、世界中の数学者から尊敬を集めています。

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