オン・ジ・エアー

オン・ジ・エアー

『オン・ジ・エアー』（On the Air）は、マーク・フロストとデヴィッド・リンチが企画し、1992年にABCで放送されたアメリカのシットコムです。全7話が制作されましたが、アメリカでは3話のみが放送されました。この作品は、1950年代の架空のテレビネットワーク、ZBC（Zoblotnick Broadcasting Company）を舞台に、生放送バラエティ番組『レスター・ガイ・ショー』の制作スタッフたちの滑稽な姿と、その結果として引き起こされる騒動を描いています。

あらすじ

物語は、かつて映画スターだったレスター・ガイが、落ち目になっていたところをZBCの社長バディ・バドウォーラーに見出され、『レスター・ガイ・ショー』で再び表舞台に立つチャンスを得たことから始まります。しかし、レスター自身は人気に固執し、ショーは彼の意図とは異なる方向に進んでいきます。特に、新人女優のベティ・ハドソンがその純粋な魅力で人気を集め、レスターの存在感を薄めてしまうのです。番組制作は常に混乱の連続で、個性的なスタッフたちがそれぞれの思惑を抱えながら、騒動を巻き起こします。

登場人物

メインキャスト

レスター・ガイ（演：イアン・ブキャナン / 日本語吹替：江原正士）
かつては映画スターでしたが、戦争の影響で落ち目になっていたところをバディに拾われます。自身の代表作であるミュージカル映画『ピカデリー・サーカス』を誇りに思っています。ショーでは自身の人気ばかりを気にし、結果としてベティに人気を奪われます。

ベティ・ハドソン（演：マーラ・ルビネフ / 日本語吹替：伊藤美紀）
演技経験は全くないものの、無邪気で純粋な性格が人気を集め、アメリカの恋人となります。レスターよりも人気が出てしまい、ショーの主役を脅かす存在になります。

バディ・バドウォーラー（演：ミゲル・フェラー / 日本語吹替：若本規夫）
ZBCの社長。レスターをコントロールできると見込みショーを企画します。しかしベティの人気が高まるにつれて、ショーが彼女に乗っ取られることを恐れ始めます。

ニコル・ソーン（演：キム・マクガイア / 日本語吹替：深見梨加）
バドウォーラーの秘書であり番組担当者。ショーの失敗を恐れ、レスターとバドウォーラーのベティを貶める計画に加担します。

その他のキャスト

ドワイト・マクゴニグル（演：マーヴィン・カプラン / 日本語吹替：飯塚昭三）
『レスター・ガイ・ショー』のプロデューサー。ベティを発掘した人物ですが、花粉症の薬のせいで人格が豹変します。

ヴラジャ・ゴクテフ（演：デヴィッド・ランダー / 日本語吹替：千葉繁）
イワン・ゾブロトニクの甥で、ショーの監督。奇妙な英語を話すため、ルーシーが通訳を担当します。靴好きで、ゾブロトニクと一緒によく靴を集めています。

ルーシー・トゥルワーシー（演：ナンシー・ファーガソン / 日本語吹替：佐々木優子）
ショーのプロダクションアシスタントで、ゴクテフの通訳も担当します。

バート・シェイン（演：ゲイリー・グロスマン / 日本語吹替：西川幾雄）
ショーの助演男優。優秀ですが、少々混乱しやすい性格です。

ビリー・”ブリンキー”・ワッツ（演：トレイシー・ウォルター / 日本語吹替：梅津秀行）
ショーの音響効果技術者。超遠視のため、他の人には見えないものが見えます。

ミッキー（演：メル・ジョンソン・Jr / 日本語吹替：島田敏）
ショーの視覚効果監督。ブリンキーの親友です。

ショーティ（演：アーウィン・キーズ / 日本語吹替：戸谷公次）
不死身の舞台係。

いそがしツインズ（演：レイリー・フレンド&レイモンド・フレンド）
いつもセットを走り回る双子。

イワン・ゾブロトニク（演：シドニー・ラシック / 日本語吹替：滝口順平）
ZBCのオーナー。ベティを気に入り、よく会っています。靴が好きです。

アナウンサー（演：エヴェレット・グリーンバウム / 日本語吹替：石森達幸）
番組のタイトルコール担当。

アンサー教授（演：チャールズ・タイナー / 日本語吹替：北村弘一）
レスター企画のクイズ番組に登場する、IQの高い人物。

ドクター・ウィンキー（演：リチャード・リール / 日本語吹替：荒川太郎）
ドワイトに花粉症の薬を処方する医者。

エセル・シスル夫人（演：ダイアナ・ベラミー / 日本語吹替：巴菁子）
ベティの中学校の先生で、クイズ番組でレスターを追い詰めます。

スタン・テイリングス（演：フレディ・ジョーンズ / 日本語吹替：神山卓三）
映画スターで、ゲストとして登場しますが、昔話を始めると止まりません。

ウォーリー・ウォルターズ（演：チャック・マッキャン / 日本語吹替：安西正弘）
人形使いで、人形のピーナッツ君をまるで生きているかのように扱います。

シルヴィア・ハドソン（演：アン・ブルーム / 日本語吹替：吉田理保子）
ベティの姉で女優。わがままで、人形との共演を拒否します。

グレート・プレシディオ（演：I・M・ホブソン / 日本語吹替：八奈見乗児）
かつて有名なマジシャンでしたが、現在はガソリンスタンドで働いています。

ビル・マルカヒー（演：ジョン・クエイド / 日本語吹替：荒川太郎）
レスターに音声変調機を紹介し、ベティ貶め計画を助けます。

名前のない女（演：ベリナ・ローガン / 日本語吹替：嶋村薫）
黒タイツのパフォーマーで、ヴラジャと親密になります。

スナップス
犬の俳優で、番組にレギュラー出演しています。

アメリカの一般市民
ショーの視聴者。

スタッフ

監督：デヴィッド・リンチ、レスリー・リンカ・グラッター、ジャック・フィスク、ジョナサン・サンガー、ベティ・トーマス
撮影監督：ロナルド・ヴィクトル・ガルシア、ピーター・デミング
プロダクションデザイナー：オコウィタ
編集：デヴィッド・シーゲル、メアリー・スウィーニー、ポール・トレホ
衣裳デザイン：エイミー・ストフスキー
音楽：アンジェロ・バダラメンティ

日本語版スタッフ

翻訳：新村一成
演出：岩浪美和
効果：佐藤良介
録音：新井保雄
プロデューサー：相原正之、泉英次

特徴

『オン・ジ・エアー』は、デヴィッド・リンチの独特なシュールレアリズムと、マーク・フロストのコミカルなセンスが融合した作品です。登場人物たちの奇妙な行動や、予測不能な展開が特徴で、従来のシットコムとは一線を画しています。また、1950年代のテレビ業界を風刺したような設定も、この作品の魅力の一つです。

エピソード

全7話が制作され、それぞれが独立したストーリーを持っています。各エピソードには、個性的なゲストキャラクターが登場し、物語をさらに盛り上げます。

その他

『オン・ジ・エアー』は、その独特な作風から、放送当時から賛否両論を巻き起こしました。しかし、そのシュールでユーモラスな世界観は、現在でも多くのファンを魅了しています。

外部リンク

オン・ジ・エアー - allcinema
On the Air - IMDb（英語）

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