オーストラリア放送協会

オーストラリア放送協会（ABC）について

オーストラリア放送協会（Australian Broadcasting Corporation、略称：ABC）は、オーストラリアの公共放送局であり、その運営はオーストラリア放送協会法に基づいて行われています。国の政策に従い、オーストラリア連邦政府からの交付金により運営され、目的は国民に対する情報提供と教育活動を通じて公共の福祉を図ることにあります。なお、同名の組織が日本やアメリカにも存在しますが、それらとABCは無関係です。

ラジオ放送

ABCには、12の主要な原形放送局が存在し、全国各地で様々なラジオ放送が展開されています。これにより、多様な地域のリスナーに向けた情報提供やエンターテインメントが行われています。

テレビ放送

ABCのテレビ放送では、多様なニュース番組やドキュメンタリー、エンターテインメント番組が放送されています。例えば、毎日午後12時から放送される『The Midday Report』はビジネスや財政に関するニュースを伝え、午後7時には『ABC news』が放送されます。また、月曜日から木曜日の午後7時30分からは『The 7.30 Report』が最近の問題を詳しく掘り下げて報道します。

さらに、毎週月曜日午後8時30分からはジャーナリズム番組『Four Corners』が放送され、続いて午後9時15分からは『Media Watch』がオーストラリアのメディアについての分析を行います。火曜日の午後2時からは『Foreign Correspondent』が海外特派員による国際情勢のレポートを提供し、そして毎週土曜日には『Rage』という音楽番組が放送され、オーストラリアのアーティストのミュージックビデオを楽しむことができます。

2010年には24時間ニュース専門チャンネル『ABC NEWS 24』も設立され、さらに幅広い情報提供が実現しました。

物議をかもした事件

ABCはその報道活動において様々な物議を醸した事件も存在します。特に、2007年のAPEC首脳会議に関連する事件では、制作チームがセキュリティーゾーン内に侵入し、ジョージ・W・ブッシュ大統領の宿泊先にオサマ・ビン・ラディンに扮したコメディアンが現れ、11名が逮捕される事態になりました。この事件は、NSW州警察をはじめとする当局によって厳しく非難され、政府の警察相からは放送局に対する強い警告が発せられました。

また、APEC期間中にはコメディアンが警備員に扮して一般市民に服を脱がせるなどの行動が行われ、公共の秩序を軽視する行為として大きな問題となりました。さらに、番組内で作成されたジェットスター航空のユニフォームを着用して搭乗客を騙すといった事件も発生しており、会社からの怒りを買う結果となりました。

最近では、2019年にオーストラリア連邦警察が、ABCのシドニー本部を家宅捜索する事態も起こりました。これは、アフガニスタンにおける特殊部隊による違法行為に関する記事が機密情報に基づいていたことが問題視されたためです。

まとめ

このように、オーストラリア放送協会は多様な放送活動を展開しながら、公共放送としての役割を果たしていますが、時には物議をかもす事件にも直面しています。その運営形態や内容、社会的影響は、今後も注目されるべきと言えるでしょう。

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