オートバイの種類

オートバイの種類：多様なモデルと分類方法

オートバイは、その用途、設計、そして特徴によって多様な種類に分類されます。分類基準は、法規に基づく排気量や変速機の方式といった客観的なものから、スポーツ性や通勤利便性といった利用者の主観的な価値観に基づくものまで多岐に渡り、多くの場合、複数の基準を組み合わせて説明されます。

用途と設計による分類

1980年代の百科事典では、オートバイを大きく分けて「スポーツ走行を楽しむタイプ」と「通勤・通学などの移動手段として用いる小型タイプ」の2種類に分類していました。前者については、さらに舗装路向けの「オンロードモデル」と、悪路走破性を重視した「オフロードモデル」に分けられます。競技専用車両などもこの分類に含まれます。

一方、現在ではオートバイ雑誌やメーカーカタログでは、より詳細な分類が用いられています。代表的なものとして、ネイキッド、スーパースポーツ、ツアラー、アメリカン、デュアルパーパス、スクーター、レーサー、ビジネスバイクなどが挙げられます。

排気量による分類としては、「大型バイク」と「ミニバイク」という区分も一般的です。大型バイクとミニバイクの境界は明確に定められておらず、駐輪場の管理規程などでは125cc以上を大型、50cc以上を大型とするなど、基準は様々です。

オンロードモデル

オンロードモデルは、舗装道路での快適な走行を前提に設計されたオートバイです。ロードスポーツやロードバイクとも呼ばれます。特に道路整備の進んだ日本では、最も車種が豊富です。

ネイキッド: カウル（覆い）のないシンプルな車体構成が特徴。日本では1980年代のカウル付き車種の流行を経て、カウルがないモデルを特に「ネイキッド」と呼ぶようになりました。
ストリートファイター: ネイキッドをさらに細分化したジャンル。走行性能を重視した設計です。
スーパースポーツ: サーキット走行などを想定した、高性能なモデル。前傾姿勢が強く、長距離走行には向かない場合があります。かつてはレーサーレプリカと呼ばれていました。
メガスポーツ: スーパースポーツと似ていますが、大排気量エンジンと大型車体が特徴です。
ツアラー: 長距離ツーリングを快適に行うための設計がなされています。大型カウルや快適な乗車姿勢などが特徴です。
アメリカン: アメリカで発達したスタイルで、ゆったりとした乗車姿勢が特徴です。クルーザーとも呼ばれます。
ストリートバイク: 市街地での走行に適した、扱いやすいモデルです。改造のベースとして人気があります。
カフェレーサー: 1970年代のイギリス発祥のスタイル。短時間の公道レース用に改造されたモデルを模倣したものです。
スクランブラー: オフロードタイヤを装着した、オフロード走行も可能なモデルです。
ビッグスクーター: 排気量の大きなスクーターです。

オフロードモデル

オフロードモデルは、未舗装路での走行を想定した設計がされています。大径スポークホイール、ロングストロークサスペンション、軽量車体が特徴です。

デュアルパーパス: 公道走行も可能なオフロードモデル。メーカーによってはトレイルと呼ばれることもあります。
アドベンチャー: 大排気量エンジンとハーフカウルを備えた、長距離走行にも適したデュアルパーパス。
スーパーモタード: スーパーモタード競技用のモデル。
フラットトラッカー/ダートトラッカー: ダートトラックレース用のモデル。
モトクロッサー/モトクロスバイク: モトクロス競技用のモデル。
エンデューロレーサー: エンデューロレース用のモデル。

タウンユースモデル

通勤・通学など、日常的な使用を想定したモデルです。

スクーター: オートマチックトランスミッションで、扱いやすいモデルです。
ビジネスバイク: 配達業務など、仕事での利用を想定したモデル。高い耐久性と経済性が特徴です。
宅配バイク: 宅配業務に特化したモデル。
モペッド: ペダルとエンジンで走行可能なモデル。

特殊車両

警察、消防、軍隊などで使用される特殊なモデルがあります。

競技用車両

競技専用に設計されたモデルです。公道走行はできません。

その他の特殊なモデル

折り畳み式バイク、トライク、サイドカー、全地形対応車、スノーモービル、スノーバイク、水上オートバイ、電動バイクなど、様々な特殊なモデルが存在します。

この分類はあくまで代表的なものであり、メーカーや雑誌、ユーザーによって異なる分類が用いられる場合もあります。それぞれのモデルの特徴を理解し、自身の用途に最適なオートバイを選ぶことが重要です。

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