オープンアクセス学術誌要覧

オープンアクセス学術誌要覧（DOAJ）について

オープンアクセス学術誌要覧、つまりDOAJ（Directory of Open Access Journals）は、オープンアクセスの学術誌とその論文を簡単に見つけられるウェブサイトです。このプラットフォームは、イギリスに本拠を置く非営利の慈善法人、オープンアクセス・インフラストラクチャ・サービス（IS4OA）が運営しています。利用者は、登録をせずとも、提出されている論文や学術誌を無償で閲覧することが可能です。2023年10月の時点で、DOAJにはおよそ1万2827誌の学術誌があり、その論文は合計で385万8305本に及びます。

DOAJの設立の背景

DOAJの目的は、特に分野、地域、言語に関係なく、世界中の査読付きオープンアクセス学術誌の認知度を高め、アクセスのしやすさ、信頼性、品質を向上させることです。さらに、学術誌の編集者や出版社と協力し、より良い出版環境を構築するサポートも行っています。これは、2002年に発表されたブダペスト・オープンアクセス・イニシアティヴ（BOAI）の理念に基づくもので、DOAJが採録する学術誌には、「全文を無料で提供し、合法的に利用可能な論文を掲載すること」が求められています。

DOAJでは、学術誌の品質を保つために厳格な審査が行われ、オープンアクセスという言葉が広まる中で、すべての学術誌が無条件で受け入れられるわけではないということが強調されています。具体的な審査基準を満たすことが求められ、登録後にもその基準が維持されていることが重要です。

DOAJの歴史と発展

DOAJは2003年に、初めて300誌の学術誌を収録し、活動を開始しました。これは、スウェーデンのルンド大学図書館長ラース・ビヨルンスハーグのリーダーシップと、オープン・ソサエティ財団からの支援によって実現しました。設立から10年経つと、その収載誌数は8300誌を超え、さらに2013年にはルンド大学から独立し、IS4OAが設立されました。この過程で、編集チームが設立され、運営がさらに強化されました。

2014年以降、DOAJは再申請の基準を大幅に見直し、約50項目に達する厳格な申請条件を設け、特にハゲタカジャーナルの排除を目指しています。これは学術界の信頼性を確保するための重要なステップとなりました。その結果、多くの学術誌が再申請を通過せず、データベースから削除されましたが、それでもなおDOAJ内の採録学術誌の数は増加し続けています。

結論

最終的に、DOAJはオープンアクセス学術界において重要な役割を果たすプラットフォームとなっています。今後も、質の高い情報を提供することを目的に、さらなる成長と改善が期待されています。利用者にとっては、研究や論文投稿の助けとなる貴重なリソースであり、学術研究の透明性やアクセスの向上に寄与しているのです。

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