オーロラエース

オーロラエースは、サムシンググッド（後のアイフォー）が開発した日本語ワープロソフトです。当初は大塚商会が販売を担当していましたが、後にサムシンググッド自身が販売するようになりました。

概要

NEC PC-9800シリーズのMS-DOS環境向けに開発されたワープロソフトです。同時期には、管理工学研究所の「松」やジャストシステムの「一太郎」といった競合製品が存在しましたが、オーロラエースは独自の機能が充実しており、特に企業ユーザーからの支持を集めました。

日本語入力システム（FEP）にはACEが標準で添付されていましたが、katanaやVJEも使用可能でした。ソフトウェアは5インチフロッピーディスク2枚で提供され、1枚はアプリケーション本体と辞書ファイル、もう1枚がデータや一時ファイル用でした。漢字変換時にはディスクへのアクセスが必要で時間がかかるという課題がありましたが、RAMディスクやHDDの普及により、他のワープロソフトと同様に変換速度が向上しました。

その後、いくつかのバージョンやメディアで提供されましたが、1995年バージョンを最後に販売が終了しました。

特徴的な機能

オーロラエースには、当時としては珍しい先進的な機能が搭載されていました。

半角漢字表記: 当時としては珍しく、半角での漢字文字表記が可能でした。
プルダウンメニュー: ファンクションキーとの組み合わせによるプルダウンメニューで機能を選択する方式を採用していました。ショートカットキーも使用可能でした。
画面表示: 入力画面の背景は白地が基本でしたが、黒地も選択可能でした。行間罫線の記述も可能でした。
付属機能: 文書内にカルクシートという簡易的な表作成・表計算機能や、グラフィックシートという作図機能が搭載されていました。また、複数の作業ウィンドウを作成することもできました。
バージョンアップ: バージョンアップの際には、新機能の追加よりも、旧バージョンで作成したデータとの互換性と動作の軽快さが重視されていました。
価格: Newオーロラエースの価格は4,980円と、当時の他のワープロソフトと比較して非常に安価でした。ただし、マニュアルは簡易的なものしか付属しておらず、完全版のマニュアルは別途2,000円で購入する必要がありました。
画面表示: Newオーロラエースでは、一画面に50行表示モードが搭載され、MS-DOSベースのワープロソフトとしては非常に見やすい画面表示を実現していました。

ラインナップ

オーロラエース（Ver.1）: NEC PC-9800シリーズ用MS-DOS版5インチフロッピーディスクで、1986年に大塚商会から発売されました。
オーロラエース Ver.2: NEC PC-9800シリーズ用MS-DOS版5インチフロッピーディスクで、1989年に大塚商会から発売されました。
Newオーロラエース(Katana Word Pro): NEC PC-9800シリーズ用MS-DOS版3.5インチフロッピーディスクで、1993年にサムシンググッドから発売されました。
Newオーロラエース Ver.2 for Windows: CD-ROM版で、1995年7月にサムシンググッドから発売されました。Katana（刀）Ver.4.5とFAX用のWinFaxLITEが同梱されていました。
オーロラエース95: Windows95版のCD-ROMで、1995年12月にサムシンググッドから発売されました。完全32ビット化され、機能に制約はありますが、XPやVistaでも使用可能でした。

参考文献

* 東京電脳倶楽部、1994、『パソコンソフト徹底評価』ISBN 4-534-02244-1 pp. 54

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