カイオワ郡 (コロラド州)

カイオワ郡：歴史、地理、そして現代の姿

カイオワ郡は、アメリカ合衆国コロラド州の東部に位置する郡です。2010年の国勢調査では人口1,398人と、2000年の1,622人から13.8％減少しています。郡庁所在地はイーズであり、郡内で人口最大の町でもあります。郡の名前は、かつてこの地域に居住していたカイオワ族インディアンに由来します。

サンドクリークの虐殺：暗い歴史

カイオワ郡の歴史は、1864年11月29日に起こったサンドクリークの虐殺という悲劇と深く結びついています。これは、コロラドが州に昇格する以前、そしてカイオワ郡が設立されるよりもずっと前の出来事でした。サンドクリークでは、インディアンの老人、女性、子供たちが虐殺されました。当初、この事件はコロラド戦争における勝利として歓迎されましたが、連邦議会の審問によって真相が明らかになり、全国的なスキャンダルとなりました。

当時のコロラド準州知事ジョン・エバンスは事件への関与を疑われ解任され、アメリカ軍を指揮したジョン・チヴィントン大佐は議会で問責されました。エバンスは初期のデンバー建設に重要な役割を果たしましたが、チヴィントンの評判は失墜したままです。2005年、国立公園局が事件現場の土地を取得し、サンドクリークの虐殺国立歴史史跡に指定しましたが、公園としての施設はまだ整備されていません。

鉄道と農業の時代

1880年代後半、コロラド州東部は農業を志す人々の注目を集めました。1887年には、ミズーリ・パシフィック鉄道がカンザス州からカイオワ郡へと鉄道を敷設しました。鉄道建設労働者のために、カンザス州との州境にいくつかの小さなキャンプが設けられ、シェリダンレイクの町が誕生しました。その後、鉄道線に沿って、Aから始まるアルファベット順に名前が付けられた新しい町やキャンプが次々と建設されました（アーデン、ブランドン、チヴィントンなど）。

チヴィントンは鉄道の主要な給水所として期待され、豪華なホテルも建設されましたが、水のアルカリ性が高すぎて使用できず、ホテルは解体されました。このようなブームと衰退は、19世紀後半のコロラド州では珍しいことではありませんでした。カイオワ郡は1889年に設立され、郡庁所在地はシェリダンレイクに置かれましたが、後にイーズへと移されました。

現代のカイオワ郡：水資源の枯渇と経済的衰退

1930年代のダストボウルは、コロラド州東部の農業に壊滅的な打撃を与えました。今日では、乾燥農業と牧畜業が主な産業となっています。コロラド州のフロント山脈沿いの都市や上流側の農地が地域内の水利権の大部分を取得したため、地下水路は枯渇しつつあります。カイオワ郡は水資源の枯渇と経済的衰退という深刻な問題に直面しています。

郡内の土地を1880年代以前の草原とプレーリーに戻す計画も検討されています。現在、かつての鉄道線に沿ったイーズの街だけが、郡庁所在地として、また残された農地や牧場を支える中心地として機能しています。シェリダンレイクには中高一貫教育校があり、その他にはタウナー、アーリントン、ブランドン、チヴィントン、ハスウェルなどの小さな町が点在しています。

地理と隣接する郡

アメリカ合衆国国勢調査局によると、カイオワ郡の総面積は1,785.76平方マイル（4,625.1平方キロメートル）で、そのうち陸地が1,770.99平方マイル（4,586.8平方キロメートル）、水域が14.76平方マイル（38.2平方キロメートル）です。カイオワ郡は、北にシャイアン郡、東にカンザス州グリーリー郡、南にベント郡とプロワーズ郡、南西にオテロ郡、西にクロウリー郡、北西にリンカーン郡と隣接しています。

今日のカイオワ郡は、過去の栄光と悲劇を背負いながら、厳しい自然環境と経済状況の中で、新たな道を模索しています。

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