カイセリ県

カイセリ県は、トルコの中央部に位置する中央アナトリア地方の県で、その歴史は古く、神話や伝説にも彩られています。県都カイセリは、Hacılar、İncesu、Kocasinan、Melikgazi、Talasの各区からなる都市圏であり、約90万人の人々が生活しています。2012年以降、カイセリ県とカイセリ大都市自治体は同一の範囲となり、県全体が都市として発展を続けています。

地理
カイセリ県は、エルジェス山、ハッサン山、アリ山といった山々に囲まれており、その地形が特徴的です。特に、エルジェス山は標高が高く、中央アナトリアで最も高い山として知られています。この地域はトルコの歴史において重要な役割を果たしており、神話とも深く結びついています。例えば、アリ山は有名なアリババの物語にちなんで名付けられ、この地域には多くの伝説が残されています。

歴史
カイセリの歴史は、古代都市マサカに始まり、ローマ時代にはカエサレアと改名されました。1084年にダニシュメンド朝に征服された後、セルジューク朝トルコがこの地を支配し、モスクや建築物を建設して近代化を進めました。この時代には、トルコで最初の病院であるスィファハネが設立され、医療の発展に貢献しました。この病院は、スルタンの娘であるゲヴヘル・ネシベ・ハトゥン王女によって設立され、1206年に完成しました。

オスマン帝国時代には、カイセリは芸術と詩の中心地となり、セイド・ブルハッネディーン、カディ・ブルハネッディーン、セイラニなどの詩人がこの地で活躍しました。また、有名な建築家ミマール・スィナンもカイセリ出身です。トルコの神話では、ハッサン・ババが毎年8月にアリババに山から溶けない雪を届けたという話が語り継がれています。現代のカイセリには、近代的なビルや美術館が建設され、歴史的なモニュメントや像が点在しており、過去と現在が調和した都市となっています。

1988年にカイセリ市は大都市自治体に指定され、2012年には指定範囲が県全体に拡大されました。このことで、カイセリ県は急速に近代化が進み、経済、文化、観光の面で発展を遂げています。

交通
カイセリ市内では、タクシーやバスなどの公共交通機関が利用できます。また、カイセリ国際空港からは、ターキッシュエアラインズをはじめとする航空会社が就航しており、国内外へのアクセスが便利です。

下位自治体
カイセリ県には、以下の下位自治体があります。

アックシュラ（Akkışla）
ビュンヤン（Bünyan）
デヴェリ（Develi）
フェラヒイェ（Felahiye）
ハジュラル（Hacılar）
インジェス（İncesu）
コジャスィナン（Kocasinan）
メリクガズィ（Melikgazi）
エズヴァタン（Özvatan）
プナルバシュ（Pınarbaşı）
サルオーラン（Sarıoğlan）
サルズ（Sarız）
タラス（Talas）
トマルザ（Tomarza）
ヤフヤル（Yahyalı）
イェシルヒサール（Yeşilhisar）

カイセリ県は、その豊かな歴史と美しい自然、そして多様な文化を持つ魅力的な地域です。古代から現代までの歴史が刻まれたこの地を訪れることで、トルコの深遠な一面に触れることができるでしょう。

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