カイセリ

カイセリ：歴史と文化が交差するトルコの都市

カイセリは、トルコ中央アナトリア地方に位置する都市で、カイセリ県の県都です。人口は約140万人を擁し、トルコ国内でも有数の規模を誇ります。その歴史は古く、カッパドキア王国の首都マザカとして始まり、ローマ帝国時代にはカエサレアと呼ばれるなど、様々な時代の変遷を経てきました。

歴史

カイセリの歴史は、カッパドキア王国の時代に遡ります。当時、マザカと呼ばれていたこの地は、王国の中心都市として繁栄しました。その後、ローマ帝国の支配下に入ると、皇帝ティベリウスによって「カエサルの都市」を意味するカエサレアと改名されました。現在も市内に残る城砦は、6世紀にユスティニアヌス1世によって築かれたもので、幾度かの改修を経てその姿を保っています。中世には、アナトリア地方における商業の中心地として重要な役割を果たしました。

地理と気候

カイセリは、トルコで4番目に高いエルジェス山（3,916メートル）の麓に位置しています。この山は、カイセリの風景を特徴づけるとともに、冬季にはスキーリゾートとしても賑わいます。気候は内陸性で、夏は暑く乾燥し、冬は非常に厳しい寒さに見舞われます。冬季には-20℃以下になることも珍しくなく、積雪も多いのが特徴です。

経済

カイセリは、工業都市としての側面も持ち合わせています。市内には大規模な工業団地があり、様々な産業が発展しています。また、カイセリ・フリーゾーンは、トルコ最大の自由貿易地域として知られています。地下資源も豊富で、アスベスト、金、銅、鉛、亜鉛、鉄など、様々な鉱物が採掘されています。農業も盛んで、周辺地域では小麦や果物が栽培され、カイセリの市場で取引されています。畜産業も重要な産業の一つであり、牛や羊の飼育が盛んです。

交通

カイセリは、交通の要衝でもあります。カイセリ・エルキレト国際空港からは、トルコ国内の主要都市や海外への便が運航されています。鉄道も整備されており、カイセリ駅からはアンカラやカルス、タトヴァンなど、トルコ各地へアクセスできます。市内交通としては、Kayserayと呼ばれるLRT（ライトレール）が運行されており、市民の足として活躍しています。

教育と文化

カイセリには、Abdullah Gül University、Erciyes University、Nuh Naci Yazgan Universityといった高等教育機関が集まっています。これらの大学は、地域の人材育成に貢献しています。食文化も豊かで、牛肉を塩漬けにした保存食パストゥルマ（Pastirma）や、肉と生地で作ったラビオリなどが有名です。

スポーツ

カイセリには、カイセリ・エルジイェススポルとカイセリスポルという2つのプロサッカークラブがあります。これらのクラブは、地元のサッカーファンから熱烈な支持を受けています。

姉妹都市

カイセリは、以下の都市と姉妹都市提携を結んでいます。

ホムス、シリア
シアールコート、パキスタン
モスタル、ボスニア・ヘルツェゴビナ
龍仁市、大韓民国
クレーフェルト、ドイツ
ナリチク、ロシア
ザールブリュッケン都市連合、ドイツ
ミシュコルツ、ハンガリー

カイセリ出身の人物

カイセリは、多くの著名人を輩出しています。

カイサリアのバシレイオス - 成聖者・教会博士
ミマール・スィナン - 建築家
アブドゥッラー・ギュル - 政治家
シベル・ケキリ - 女優

カイセリは、歴史、文化、自然が豊かに融合した魅力的な都市です。トルコを訪れる際には、ぜひカイセリにも足を運んでみてください。

もう一度検索