カイハラ (企業)

カイハラ株式会社について

カイハラ株式会社（英: KAIHARA CORPORATION）は、広島県福山市に本社を構える繊維製品メーカーです。この会社は、特にデニムを専門とし、日本国内で唯一、デニム素材の紡績や染色、織布、整理加工といったプロセスを一貫して行える生産ラインを保持しています。カイハラのデニムは、国内市場で約50%のシェアを誇り、海外にも30カ国以上に輸出されています。

沿革

カイハラのルーツは1893年にさかのぼります。創業者の貝原助治郎が広島県で手織りの藍染備後絣織物業を立ち上げたことから、カイハラの歴史が始まりました。1940年代には戦時体制により事業の縮小を余儀なくされましたが、1951年に株式会社化し、新たなスタートを切りました。特に1960年代には、藍染技術を駆使したデニム生地の製造に取り組み始め、1970年には初のインディゴデニムを市場に投入しました。これを機に、カイハラはデニム専業メーカーへと成長を遂げました。

デニム市場への参入

デニムへの参入は、カイハラにとって大きな転機となりました。特にデニムにおける色落ちの特性を反映させるために、自社開発のロープ染色機を導入した結果、デニムの染色において国内唯一の技術を持つメーカーとなりました。1974年には備後絣の製造を終了し、デニム染色に専念する道を選びました。これにより、国内市場で急速にシェアを拡大し、1980年代には輸出比率が約70%に達しました。

企業の発展

1970年代にはリーバイスの下請けとして、デニム生地を供給し続けましたが、やがてリーバイスとの直接取引を開始しました。リーバイスは高品質な製品を求める一方で、コスト削減をも求めてきたため、カイハラは品質の維持と新たな顧客の開拓を目指しました。これにより、ストレッチデニム生地の開発など、新しい商品ラインが拡充されました。

カイハラは現在でも最新素材の開発に取り組んでおり、ユニクロとの共同開発で「ヒートテックジーンズ」などの新商品を2022年に発売いたしました。これにより、国内外での市場競争力を維持し続けています。

事業所と関連企業

カイハラの本社は福山市にあり、販売拠点として東京オフィスも設けています。生産拠点には福山市の本社工場のほか、吉舎工場、上下工場、三和工場などがあります。また、海外においてはタイと香港に拠点を持ち、それぞれ製造及び販売を行っています。

歴史資料館

カイハラはその100周年を記念して、1996年に貝原歴史資料館を設立しました。この資料館では、創業以来の藍染技術やカイハラに関連する貴重な資料を展示しており、一般公開も行われています。

まとめ

カイハラは、創業以来、独自の技術革新を推進し、デニム市場において重要な役割を果たしてきました。国内外でのシェアの拡大や新商品開発に取り組む姿勢は、今後も成長を続けることでしょう。

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