カイル・コーバー

カイル・コーバー：NBA屈指のシューターの軌跡

カイル・エリオット・コーバー（Kyle Elliot Korver）は、1981年3月17日生まれ、アメリカ合衆国カリフォルニア州レイクウッド出身の元プロバスケットボール選手です。NBAでの輝かしいキャリアを終え、現在はブルックリン・ネッツで選手育成アシスタントコーチとして、次世代の育成に尽力しています。正式な引退は表明していませんが、その豊富な経験と知識は、若い選手たちにとってかけがえのない財産となっています。

NBA入りの苦難と開花

クレイトン大学卒業後、2003年のNBAドラフトにアーリーエントリーを表明。しかし、この年はレブロン・ジェームズ、カーメロ・アンソニー、ドウェイン・ウェイドといった、後にNBAを代表する選手たちが名を連ねる豊作の年でした。コーバーは全体51位という下位指名でニュージャージー・ネッツから指名を受けるも、直後に解雇。その後、フィラデルフィア・76ersに入団し、NBAキャリアをスタートさせました。

1年目は出場機会に恵まれなかったものの、2年目には全試合に出場。主力選手としてチームに貢献し、着実に成長を遂げました。3年目も安定した成績を残し、2005年には6年総額2,500万ドルという大型契約を76ersと結びました。

シックスマンとしての活躍と記録達成

2006-07シーズンには、シックスマンとしてチームに貢献。フリースロー成功率でリーグ1位に輝くなど、その才能を開花させました。2007年12月29日にはユタ・ジャズへトレード。2010年7月13日にはシカゴ・ブルズと3年総額1,500万ドルの契約を結びました。

2012年7月16日、アトランタ・ホークスへトレードされると、コーバーはさらなる飛躍を遂げます。2013年12月6日のクリーブランド・キャバリアーズ戦で、デイナ・バロスの持つ89試合連続3P成功のNBA記録を更新。最終的には127試合連続3P成功という驚異的な記録を打ち立てました。その後、ステフィン・カリーによって記録は更新されましたが、コーバーの偉業は色褪せることはありません。
2015年には自身初となるNBAオールスターにも選出され、その実力を証明しました。

キャバリアーズ、ジャズ、バックスでのプレー

2017年1月4日、クリーブランド・キャバリアーズへ移籍。レブロン・ジェームズらと共にプレーし、NBAファイナルにも出場しました。2017年7月12日にはキャバリアーズと3年総額2,200万ドルの再契約を結びました。2018年11月29日には、かつて所属したユタ・ジャズに復帰。その後、2019年7月6日にミルウォーキー・バックスへ移籍し、ベテランとしてチームを支えました。

プレースタイルと評価

コーバーは、大学時代から3ポイントの名手として知られ、NBA入り後もその才能を発揮しました。キャリア通算で3P成功率41.3%という高い数字を残しており、2004-05シーズンには3ポイント成功数でリーグ1位タイ、2006-07シーズンにはフリースロー成功率でリーグトップを記録しました。

また、カールムーブなどでディフェンスを引きつけ、味方をフリーにする的確なアシストも彼の持ち味です。一方で、ディフェンス力やドライブインを課題とする声もありましたが、その高いシュート力とチームへの貢献度は、多くのファンを魅了しました。

コーチとしての新たな挑戦

2021年8月6日、ブルックリン・ネッツの選手育成部門担当コーチに就任。NBAでの豊富な経験と知識を活かし、次世代の選手育成に情熱を注いでいます。選手としての輝かしいキャリアを終え、指導者として新たな道を歩み始めたコーバーの今後の活躍に、ますます期待が高まります。

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