カオバン省

カオバン省は、ベトナムの東北地方に位置する省であり、中華人民共和国との国境を共有しています。省都はカオバン市です。

地理

カオバン省の東部は、石灰岩が作り出す独特なカルスト地形が広がっています。この地域は、雨水などによる浸食で形成された奇岩や洞窟が数多く見られます。一方、西部には、化石を豊富に含む堆積岩や枕状玄武岩などが分布しており、地質学的に多様な特徴を持っています。2018年には、この地質学的価値が認められ、「ノンヌオク・カオバンユネスコ世界ジオパーク」としてユネスコから認定を受けました。このジオパークには、多様な地形や地質だけでなく、豊かな生物多様性や文化的な遺産も含まれており、観光資源としても注目されています。

歴史

カオバン省は、歴史的に重要な場所でもあります。特に、1947年から1949年にかけては、カオバンの戦いという激しい戦闘が繰り広げられました。この戦いは、ベトナムの独立運動における重要な出来事の一つです。

産業と経済

カオバン省の主要産業は、農林業です。しかし、経済状況は比較的厳しく、医療機関や学校などの社会インフラが不足しているという課題を抱えています。省内の多くの地域では、依然として貧困が深刻な問題となっており、経済発展と社会福祉の向上が求められています。

行政区画

カオバン省は、1つの市と9つの県から構成されています。

カオバン市（Cao Bằng / 高平）
バオラック県（Bảo Lạc / 保樂）
バオラム県（Bảo Lâm / 保林）
ハラン県（Hạ Lang / 下琅）
ハクアン県（Hà Quảng / 河廣）
ホアアン県（Hoà An / 和安）
グエンビン県（Nguyên Bình / 原平）
クアンホア県（Quảng Hoà / 廣和）
タックアン県（Thạch An / 石安）
チュンカイン県（Trùng Khánh / 重慶）


これらの地域は、それぞれ異なる文化や地理的な特徴を持っており、カオバン省全体の多様性を形成しています。

まとめ

カオバン省は、豊かな自然と歴史、そして独自の文化が共存する地域です。ユネスコ世界ジオパークに認定された自然景観は、観光客にとっても魅力的な資源です。しかし、経済的な課題や社会インフラの整備など、克服すべき問題も多く残されています。今後の発展が期待される地域の一つと言えるでしょう。

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