カザフスタンの農業

カザフスタンの農業：広大な大地と穀物の国

カザフスタンは、中央アジアに位置する広大な国土を持つ国です。その国土の多くは農業に利用されており、穀物生産や畜産が盛んに行われています。しかし、カザフスタンの農業は、経済における割合は比較的小さく、GDPに占める割合は10％に満たない6.7％にとどまっています。農業従事者は国民の20％程度です。

穀物生産：小麦の輸出大国

カザフスタンで最も重要な農産物は小麦です。カザフスタンは世界有数の小麦生産国であり、その高品質な小麦は、アフガニスタン、イラン、中国、ロシアなど世界各国に輸出されています。他にも、大麦、綿花、シュガービート、ヒマワリ、亜麻、米などの作物が生産されています。

しかし、カザフスタンの農業は、ソ連時代の処女地開拓による土壌劣化の影響を今も受けています。特に北部地域では、過剰な耕作によって土壌の栄養が枯渇し、農業生産に悪影響を及ぼしているのです。

近年では、収穫量は変動を見せています。2011年には年間収穫量記録となる2690万トンの穀物を収穫しましたが、2012年には干ばつの影響で1400万トンにまで減少しました。気候変動の影響を受けやすい農業構造が課題となっています。ワイン生産も盛んであり、アルマトイ東部の山麓地帯では良質なワインが造られています。

畜産：多様な家畜と豊富な生産物

カザフスタンの畜産業も重要な産業です。ヤギ、ウマ、ブタ、ヒツジ、ニワトリなど、様々な家畜が飼育されています。牛肉、豚肉、羊肉、鶏肉などの食肉生産が盛んであり、羊毛、牛乳、卵なども重要な生産品目となっています。カザフスタンは、世界でも有数のオオカミの生息地としても知られており、約9万頭が生息しています。

課題と展望

カザフスタンの農業は、広大な国土と豊富な資源を活かした発展が期待されますが、同時に、気候変動や土壌劣化、市場価格の変動といった様々な課題に直面しています。持続可能な農業の実現に向けた取り組みが、カザフスタンの農業の未来を左右する重要な要素となるでしょう。灌漑技術の向上や品種改良、効率的な農業経営の導入などが、今後の課題として挙げられます。

まとめ

カザフスタンの農業は、経済における割合は小さいものの、国土の広大な面積が農業利用に充てられ、小麦などの穀物生産と畜産が盛んに行われています。世界的な穀物輸出国としての地位を確立していますが、気候変動や土壌劣化といった課題への対応が、今後の発展にとって不可欠です。持続可能な農業への転換が、カザフスタンの農業の将来を左右する重要な鍵となるでしょう。

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