カザフスタン鉄道

カザフスタン鉄道の概要

カザフスタン鉄道（Kazakhstan Temir Zholy、略称KTZ）は、カザフスタンにおける主要な国有鉄道運営会社であり、鉄道輸送の維持と発展を担っています。本社はアスタナ（現・ヌルスルタン）に位置し、合資会社として設立されました。現在、鉄道の管理は上下分離されており、関連する株式会社が車両の所有や乗客輸送を行っています。ただし、修理関連の施設は民営化されているため、民間の企業が運営を担当しています。

鉄道ネットワーク

KTZが運営する鉄道路線は、主にソビエト連邦時代のインフラに基づいており、ロシアゲージの1520mm広軌を採用しています。特に、カザフスタンのドストゥク駅と中国の阿拉山口駅では、1520mmと1435mmの標準軌が並行して設置されており、国境を越える中継点となっています。更に、2017年には、日通国際物流（中国）と業務提携を結び、東アジア、欧州、中央アジアを繋ぐ輸送ネットワークを拡張することが発表されました。

現在、カザフスタンから中央アジア諸国への貨物輸送量は確実に増加しており、KTZは「カスピ海経由の輸送を活性化すること」に重点を置いています。特にアクタウ港及びクリク港の振興を行い、ジョージアの黒海沿岸の港湾開発にも注力しています。

ユーラシア横断鉄道

ユーラシア横断鉄道は、CIS諸国の鉄道と接続する際には、異なる軌間により台車の交換が必要となるため、コストの増加や遅延が問題とされてきました。KTZは3862kmにわたって、中国と東南アジアをヨーロッパに結ぶ役割を果たしていますが、これまでの設計・運用上の課題には新たな経路の設定などが含まれます。しかし、イランやトルクメニスタンを通じた標準軌の路線敷設計画は、現在は挫折しています。

また、近年、新たにドストゥク駅からカスピ海沿岸のアクタウを結ぶ新線の建設が進められており、今後の発展が期待されています。このプロジェクトは総額50億から70億ドルと見込まれており、既存の広軌在来線とアクタウ港、新バクー港を結ぶ鉄道連絡船を通じて、新しいユーラシア・ランドブリッジの構築を目指しています。

車両の特徴

カザフスタン鉄道では、ソ連時代から運用されている機関車やエレクトリーチカ、客車が使われています。特に客車はカザフスタンの国旗のデザインが施されており、国のアイデンティティを強調しています。また、高速列車としてスペイン製のタルゴが導入されており、中国との直通運転の便宜も考慮して、軌間可変車軸が検討されています。

関連項目

カザフスタン鉄道に関連する企業としては、テングリ・ユニトレード・カーゴがあり、同社はカザフスタン鉄道公認の貨物輸送代行業者として知られています。さらに、ロシア鉄道やシベリア鉄道とも深い繋がりがあり、広範な鉄道網による物流の重要性は高まっています。国際的な鉄道システムの一部として、カザフスタン鉄道はグローバルな輸送の要となるべく、更なる発展を目指しています。

このように、カザフスタン鉄道は国の交通インフラの中心的な役割を果たしており、挑戦と機会の両方が存在するダイナミックな業界です。

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