アスタナ

アスタナ

アスタナ（カザフ語: Астана、ロシア語: Астана）は、カザフスタンの首都であり、特別市として他の州と共に国を構成しています。1997年には前首都であるアルマトイから遷都され、旧称はアクモリンスク、ツェリノグラード、アクモラ、ヌルスルタンなどがあります。イシム川の右岸に位置するこの都市は、現在アスタナと呼ばれています。

歴史

アスタナの歴史は1824年に遡ります。当時、ロシアのオムスクから来たコサックたちがイシム川上流に要塞を築き、これが現在のアクモリンスクの始まりとなりました。発展を続け、鉄道の要所となりました。しかし、スターリン時代には周辺に悪名高いグラグが設置され、ここに多くの人々が収容されました。また、第二次世界大戦後には、日本人捕虜がシベリアに移送される一部がこの地に送られました。

1961年には「処女地の町」としてツェリノグラードに改名され、後にはニキータ・フルシチョフの指導する処女地開拓運動の中心地として機能しました。1991年にカザフスタンが独立を果たすと、再びアクモラと名付けられ、1994年には新首都としての地位が決まりました。

1998年には、カザフ語で首都を意味する「アスタナ」に改名されました。遷都の背景には地震の危険や、経済発展の限界がありました。特に、民族問題の観点からも、カザフ人の増加を目指す重要な戦略とされました。アスタナの名称は2008年にヌルスルタンに一時変更されましたが、2022年に再びアスタナに戻されました。

民族構成

アスタナの人口は遷都時には約27万人でしたが、その後急速に増加し、2007年には約57万人、2014年には82万人に達しました。特に2018年の調査では、カザフ人が人口の約8割を占めるようになり、スラブ民族は2割以下に減少しました。政府の戦略が成功を収めた結果、北部の民族構造が大きく変わりました。

地勢と気候

アスタナはカザフスタンの北部高原に位置し、標高は347メートルです。イシム川が市内を流れ、夏季には多くの公園が緑に覆われます。冬季は非常に厳しく、1月の平均気温は-14.2度ですが、シベリアからの寒気団により時に-50度近くまで下がります。このように、アスタナは冬の寒さが厳しい都市でも知られています。

行政区と経済

アスタナはアルマトイ地区、エシリ地区、サルィアルカ地区の3つの行政区から成っています。新首都としての経済の中心は、商業、工業、運輸、通信など様々な分野にわたり、オイルマネーによって建築も進んでいます。高層ビルの建設ラッシュが続き、国有企業も多数拠点を構えています。

都市計画

アスタナの都市計画は、日本の建築家黒川紀章によるもので、低所得者の住宅地や産業地区、市の中心などが見事に配置されています。全体像は2030年までに完成する予定であり、現在のところベルリンをモデルとしながら、純政治的な都市ではない方向性が示されています。

建築

アスタナには特徴的な建築物が多くあります。「バイテレク」は105メートルの高さを持つモニュメントであり、「平和のピラミッド」では各宗教の施設が集まっています。さらに、2022年には中央アジア最大のモスクが完成し、文化施設も充実しています。

交通

郊外にはヌルスルタン国際空港があり、新たに設計されたターミナルが開放されています。旧市街に位置するヌルスルタン1駅は、鉄道網の中心となっており、多国籍路線が展開されています。市内交通はアスタナライトレールによってより便利になっています。アスタナは急成長する都市であり、今後の発展が期待されます。

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