カタルーニャ民主集中

カタルーニャ民主集中（CDC）とは

カタルーニャ民主集中（カタルーニャ語: Convergència Democràtica de Catalunya、略称: CDC）は、かつてスペインのカタルーニャ州で活動していた政党です。1974年にジョルディ・プジョル氏を中心に創設され、カタルーニャ独立主義と自由主義を主要な綱領としていました。

CDCの歴史

CDCは、1980年から2015年までの間、キリスト教民主主義政党であるカタルーニャ民主連合（UDC）と政党連合「集中と統一」（CiU）を結成していました。このCiUは35年もの間、カタルーニャ州の選挙で第一政治勢力として君臨し、20年以上にわたりカタルーニャ自治政府を運営してきました。

しかし、2015年に両党の間に意見の相違が表面化し、最終的に政党連合は解体されました。この解散は、各党がそれぞれのアイデンティティを取り戻す契機となりました。

その後、2016年7月10日に新たな政党、カタルーニャ民主党（後にカタルーニャ・ヨーロッパ民主党、PDeCATに改称）が設立され、CDCの党機能は徐々に移行されました。現在、CDCは法人格としては存在していますが、事実上は解散状態にあります。

CDCの組織

CDCは、カタルーニャ州内外に複数の支部組織を持っていました。例えば、アラゴン州のFranja de Aragón地域にはフランハ民主集中（Convergència Democràtica de la Franja）、カタルーニャ州のバル・ダラン地域にはアラン民主集中（Convergència Democràtica Aranesa）が存在しました。また、フランス領内の北カタルーニャ（ルサリョー、ルシヨン地域）では、2006年にカタルーニャ・ブロック（Bloc Català）がCDCの自治連合組織に転換しました。

選挙における実績と他党との関係

CDCは、1980年の州議会選挙から2015年の自治体選挙まで、CiUとして選挙に参加してきました。2003年までは、カタルーニャ社会主義者党（PSC）、カタルーニャ共和主義左翼（ERC）、カタルーニャ緑のためのイニシアティブ（ICV）の左派3党による連合（tripartito）に過半数の議席を奪われるまで、自治州政府与党としてカタルーニャを主導していました。2010年の州議会選挙では過半数には届かなかったものの、第2党を大きく引き離して勝利し、党代表のアルトゥール・マス氏が自治州政府首班に選出されました。

CDCは、スペインの中央政界においても一定の影響力を持っていました。社会労働党（PSOE）政権時代（1982年-1996年）や国民党（PP）政権時代（1996年-2004年）には、それぞれ国会第1党を支援し、政権成立に協力することで、カタルーニャ地域主義政党としての枠を超え、スペイン全体の政治に影響を与えました。

フェリーペ・ゴンサーレス率いるPSOE政権下では、自治州で構成されるスペイン国家の発展に尽力し、自治州の財政基盤の確立に貢献しました。また、ホセ・マリア・アスナール政権との間では、予算の自由化とコントロールの強化について協力し、スペインのユーロ導入に貢献しました。CiUとPPの間で締結されたマジェスティック協定（Pacto del Majestic）に基づき、PSOE政権時代から進められていた自治州財政の拡大、徴兵制の廃止、権限移譲などがさらに進展しました。

その後

2003年にジョルディ・プジョル氏が州首相を退任すると、彼の右腕であったアルトゥール・マス氏が党のリーダーシップを引き継ぎました。マス氏は、CiUの州議選における筆頭候補（州首相候補）の地位も引き継ぎました。2012年3月24日にレウスで開催されたCDC第16回党大会では、ジョルディ・プジョル氏の息子であるウリオル・プジョル氏が党幹事長に指名され、マス氏は党代表の職責を引き継ぎました。ジョルディ・プジョル氏には「党代表創設者」の称号が贈られました。この党大会において、党の指導者たちはCDCの中期目標がカタルーニャの独立であることを明確に宣言しました。

2012年、CDCはバルセロナの党本部がパラウ事件（Caso Palau）として知られる汚職スキャンダルに関連して捜査を受けました。

2015年の総選挙では、「民主主義と自由」という名称の選挙連合に参加して臨みました。

CDCは、カタルーニャの政治に大きな足跡を残した政党として、その歴史は今後も語り継がれるでしょう。

もう一度検索