カテリナ・サケラロプル

カテリナ・サケラロプル：ギリシャ初の女性大統領

カテリナ・サケラロプル（Katerina Sakellaropoulou、1956年5月30日 - ）は、ギリシャの裁判官、政治家であり、2020年3月13日にギリシャの大統領に就任しました。ギリシャ史上初の女性大統領として、その就任は国内外から大きな注目を集めました。

経歴

サケラロプルは1956年5月30日にテッサロニキで生まれ、1978年にアテネ大学法学部を卒業しました。その後、ギリシャの行政訴訟における最高裁判所である国家評議会に1980年代から勤務し、1989年から1990年までパリ第2大学（パンテオン・アサス）で学びました。2018年10月には、女性として初めて国家評議会の議長に就任し、その卓越した能力を示しました。彼女は特に憲法と環境法を専門としています。

大統領就任

2020年1月15日、当時の首相であったキリアコス・ミツォタキスは、サケラロプルを次期大統領候補として指名しました。この指名は、ギリシャ政界における女性の地位向上を象徴する出来事として広く評価されました。1月22日に行われたギリシャ議会での大統領選挙では、与党である新民主主義党だけでなく、主要野党である急進左派連合（SYRIZA）などの支持も得て、国会議員300人中261人の賛成を得て大統領に選出されました。

2020年3月13日、サケラロプルは大統領として正式に就任しました。議会で行われた就任宣誓式は、ギリシャ正教の大主教立ち合いのもと執り行われました。しかし、当時は新型コロナウイルス感染症が世界的に拡大していた時期であり、感染拡大を懸念して参列者は大幅に減らされました。また、翌日に予定されていた就任祝賀式典も中止となりました。

ギリシャは、ヨーロッパの他の国々と比較して政界における女性の進出が遅れており、欧州ジェンダー平等研究所が発表するジェンダー平等指数では最下位に位置していました。そのため、サケラロプルの大統領就任は、こうした状況に対する批判に応える意味合いもあったと見られています。ただし、ギリシャにおいては政治の実権は首相が握っており、大統領は主に儀礼的な権限を有しています。

家族

サケラロプルの父親であるニコラオス・サケラロプロスも裁判官であり、ギリシャの民事・刑事訴訟における最高裁判所であるアリオス・パゴスの副長官を務めました。彼女は離婚歴があり、現在は弁護士のパヴロス・コツォニスという男性とパートナーの関係にあります。また、元夫との間にはニオヴィという娘がいます。コツォニスとニオヴィは、共に3月13日の宣誓式に出席しました。

カテリナ・サケラロプルの大統領就任は、ギリシャの歴史における重要な転換点であり、今後のギリシャ社会におけるジェンダー平等の進展に大きな影響を与えることが期待されています。

もう一度検索