カディマ党

カディマ（Kadima）

カディマは、イスラエルの中道主義を掲げた政党で、ヘブライ語で「前進」を意味します。この政党は、元首相アリエル・シャロンによって2005年11月に設立されました。カディマは、政治的にはシオニスト的視点からの意義を持ち、党名は「前進」という意味を反映しています。設立時、カディマは国の責任を強調する「国家責任党」という名前が候補に挙がったものの、同名の政党からの反発を受けて最終的にカディマという名称に落ち着きました。名称については、かつてのイタリアのファシスト政権の関連が問題視される意見もありましたが、議論は大きく広がることはありませんでした。

政策の継承

カディマの政策は、シャロンの対パレスチナ政策を引き継ぎ、特にガザ地区からの全面的な撤退を目指しました。この政策は、ヨルダン川西岸のユダヤ人入植地の維持を条件にしている点が特徴です。オルメルトが党首の時には、西岸の防護フェンス内に存在する大規模入植地の併合を主張し、治安上の理由からヨルダン渓谷の入植地保持も必要だと強調していました。

2006年9月、オルメルトは国会での発言を通じ、ヨルダン川西岸からの追加撤退を凍結したい考えを示しました。これによって、政権の公約が事実上破られ、特にレバノン侵攻後の威信にも影響を与えました。

総選挙の経過

2006年3月28日の総選挙では、カディマは他の政党を抑えて第一党の座を得ましたが、獲得した議席は29と予想を下回り、構成加入の結果あまり良くない結果となりました。国民はシャロンの強力なリーダーシップに期待を寄せていたものの、オルメルトはその印象に及ばず不安感が広がりました。その後、同年5月にオルメルト主導の連立政権が成立しましたが、参加した他党との連携が必要不可欠でした。

次の2009年の選挙では、カディマが28議席を獲得し、引き続き第一党としての地位を維持しました。しかし、その後の連立交渉は失敗し、カディマは野に下ることとなりました。

大連立とその解消

2012年、シャウル・モファズが新たな党首として選出され、リクードとの大連立を樹立することが合意されました。モファズは副首相として入閣したのですが、党内での意見の相違や、大連立に対する懸念が広がり、２ヶ月後には副首相職を辞任し大連立は解消しました。

最後の選挙

2013年には総選挙が行われ、カディマは２議席にとどまるという深刻な結果を迎えました。これにより、党の未来がさらに危うくなり、議員の辞職や新党への流出が相次ぎました。カディマは、他の二大政党であるリクードと労働党から多くの議員を参加させた結果、歴史に名を刻んできましたが、その後の政治情勢や党内の動きの変化により困難を経験することになりました。

党首の変遷を振り返ると、初代がアリエル・シャロン、次にエフード・オルメルト、続いてツィッピー・リヴニ、最後にシャウル・モファズが党を率いることとなりました。イデオロギーや政策の面でも多様な側面を持つカディマは、イスラエルの政治において重要な役割を果たした政党であり、その歩みは常に注目を集めています。

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