カドマス・M・ウィルコックス

カドマス・マーセラス・ウィルコックスの生涯

カドマス・マーセラス・ウィルコックス（1824年5月20日 - 1890年12月2日）は、アメリカ陸軍の職業軍人として、米墨戦争と南北戦争で重要な役割を果たした将軍です。彼はアメリカ陸軍から南軍に転身し、その指揮官として数々の戦闘に参加しました。

初期の経歴

ウィルコックスはノースカロライナ州ウェイン郡で誕生し、兄のジョン・アレン・ウィルコックスは後にテキサスにおいて指導的な役割を果たしました。彼が2歳の時、家族はテネシー州ティプトンに移住し、そこで成長し教育を受けました。カンバーランド大学で学んだ後、メンフィス地域からウェストポイントの陸軍士官学校に入学し、1846年に卒業しました。

卒業後、ウィルコックスは第4アメリカ歩兵連隊で名誉少尉として任官されました。その頃、米墨戦争が始まり、彼は1847年にモンテレイで連隊に加わります。ベラクルス包囲戦やセルロ・ゴードの戦いでは副官を務め、勇敢な行動により中尉に名誉昇進しました。その後アメリカ陸軍において教官として働く傍ら、軍事戦術に関する著作物も残しました。1860年にはニューメキシコ準州に赴任し、大尉に昇進しました。

南北戦争での従軍

1861年、テネシー州の脱退を受けてウィルコックスはアメリカ陸軍を退役し、南軍に加わりました。彼はバージニア州リッチモンドで南軍砲兵隊の大尉として任官され、その後、大佐に昇進し、アラバマ歩兵連隊の指揮官を務めました。この部隊で彼はマナサスの戦いに参加し、その後数々の戦闘で指揮を執りました。

特に1862年の半島方面作戦では、ウィルコックスはウィリアムズバーグの戦いで目立った活躍をし、七日間の戦いでも重要な役割を果たします。彼は指揮下の連隊で多くの損失を被りましたが、その中でも戦う意志を失わず、北バージニア方面作戦やメリーランド方面作戦にも従軍しました。

ゲティスバーグの戦い

1863年、ウィルコックスはゲティスバーグの戦いに参加し、そこでも彼の部隊は重要な役割を果たしました。特に彼は、同級生であるピケット少将の突撃をサポートする形で行動しましたが、北軍からの厳しい砲火に遭い、容易に後退を余儀なくされます。その後、彼は少将に昇進し、ペンダー師団の指揮を任されました。

戦後の経歴

南北戦争が終わった後、ウィルコックスはエジプト軍での准将職を断りましたが、1886年にはワシントンD.C.の政府鉄道局長に指名され、その職を全うしました。彼は生涯独身を貫き、兄の未亡人やその子供たちを支援しました。ウィルコックスは66歳でワシントンD.C.で亡くなり、オークヒル墓地に埋葬されました。その葬儀には元南北軍の将軍が多数出席し、彼に対する敬意が示されました。

ウィルコックスの生涯は、変わりゆく時代の中で従軍し続けた軍人としての象徴であり、アメリカの歴史の重要な一ページとして多くの人々に記憶されています。

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