カナディア CL-215

カナディア CL-215 について

カナディア CL-215（Canadair CL-215）は、カナダの名門カナディアによって設計された水陸両用飛行艇です。この機体は、特に消防活動用に開発された初のモデルであり、その後のボンバルディア・エアロスペースによる生産を経て、消防機の代表的存在となっています。主に、山火事や都市部の火災現場において、湖や河川から水を直接取り込み、瞬時に消火活動に向かうことができる能力を持っています。

開発の背景

CL-215の開発は1966年に始まり、翌年の1967年10月23日に初飛行を成功させました。この機体は、消防用として設計されたが、基本的な設計は一般的な飛行艇の形状に基づいており、肩翼配置の主翼を特徴としています。エンジンはレシプロエンジンが二基装着されており、主に低空飛行を想定しているため、当時のターボプロップエンジンでは効率が良くないとされ、レシプロエンジンが選ばれました。

機体の特徴と機能

CL-215は、消防機としての機能にとどまらず、捜索救難任務や人員・貨物の輸送にも対応できます。また、胴体の内部には大型の水タンクが装備されており、一度のタンク補充で約4トンの水を携行することが可能です。これにより、火災現場では迅速に消火活動が行え、非常に効果的です。

この機体の設計においては、広い翼面積と強力なエンジンの組合せが重要な要素であり、最大離陸重量は陸上で19,731kg、水上で17,100kgとなっています。

生産と派生機

CL-215は1988年まで生産され、合計112機が製造されました。その後、1989年にはエンジンをターボプロップ型に換装したCL-215Tが登場し、既存の機体に改造する形で普及しました。新しい設計としては、カナディア CL-415が開発され、最終的にはボンバルディア CL-415として知られる機体に進化しました。

現在の状況

2016年には、バイキング・エアに対してCL-215の保守部品の製造権が譲渡され、これによりこの機体の運用が今後も続けられる基盤が整いました。CL-215は、その優れた消火能力と多用途性から、現在でも多くの国で活躍しています。

要目

• - 乗員：2～4名
• - 乗客：最大26名
• - 全幅：28.60m
• - 全長：19.82m
• - 全高：8.98m
• - 空虚重量：12,160kg
• - 最大離陸重量：19,731kg（地上）/17,100kg（水上）
• - エンジン：プラット・アンド・ホイットニー R-2800（2,100hp）×2
• - 最高巡航速度：376km/h
• - 航続距離：2,094km

CL-215は、特に優れた消防機として、航空歴史の中で重要な位置を占めており、今後もその応用範囲が拡大していくことが期待されています。

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