カナナラ:西オーストラリアの豊かな水と大地の恵み
カナナラは、
オーストラリア・西
オーストラリア州の北東部、
キンバリー地域に位置する町です。シャー・オブ・ウィンダム=イーストキンバリーに属し、この地域の重要な拠点となっています。
地名の由来と概要
カナナラという地名は、この地に暮らす
アボリジニの部族の言葉で「大きい川」を意味する「グナヌラン」に由来します。2021年の国勢調査によると、人口は約5,500人であり、その約4分の1が
アボリジニの人々です。
地理
カナナラは、州都パースから北東へ直線距離で約2,300km、道路では約3,200km離れた場所に位置しています。西
オーストラリア州と
ノーザンテリトリーの州境からはわずか40km足らずの距離にあります。
町の周辺は、オード川とダナム川の合流点という立地から、水に恵まれた景観が広がります。南に72kmの場所には、
オーストラリア最大の人造湖であるアーガイル湖があり、ヴァレンタインスプリング、ブラックロッククリーク、ミドルスプリングなど数多くの滝や泉が存在します。また、アイバンホークロッシング、ディバージョンダム、オード川などは、バラマンディなどの大型淡水魚が生息する人気のフィッシングスポットです。
気候
気候は、ステップ気候に分類され、雨季と乾季が明確に分かれています。1月から3月の雨季には平均降水量が550mmを超えるのに対し、7月から9月の乾季にはわずか5mm程度しか雨が降りません。町の内外には、
バオバブの巨木が数多く見られます。
歴史
カナナラの歴史は比較的浅く、1950年代にオード川灌漑計画が開始された後に発展した町です。この計画によって、町の発展が大きく促進されました。
政治と行政
カナナラは、地方行政上、北西約80kmに位置する港町ウィンダムなどとともに、シャー・オブ・ウィンダム=イーストキンバリーという地方自治体を形成しています。
経済
第一次産業
灌漑による豊富な水を利用した農業が盛んで、
メロンや
マンゴーが主要な農産物です。かつては
サトウキビの栽培も盛んでしたが、現在は他の農産物にシフトしています。
第三次産業
観光業も重要な産業であり、オード川やアーガイル湖、アーガイルダイヤモンド鉱山、パーヌルル国立公園(バングル・バングル)などが観光名所として知られています。近年では、映画のロケ地としても注目を集めており、特に映画「
オーストラリア」のロケ地を巡るツアーが人気です。
交通
空路
カナナラ空港からは、ヴァージン・
オーストラリア・リージョナル航空とエアノースが定期便を運航しており、ブルームとダーウィンへそれぞれ約1時間でアクセスできます。
バス
グレイハウンド・
オーストラリアの長距離バスが、ダーウィンとブルームの間で運行しており、カナナラを経由します。ダーウィンまでは約11時間、ブルームまでは約13時間です。ブルームからはパース行きのバスに接続しており、パースまでは約34時間かかります。
カナナラは、豊かな自然と独特の文化が息づく魅力的な町です。水と緑に囲まれた美しい景観は、訪れる人々を魅了し、農業や観光業を通じて地域経済を支えています。