バラマンディ

バラマンディ (Lates calcarifer)

バラマンディは、アカメ科に属する大型の肉食魚であり、インド太平洋の熱帯域に広く分布しています。東南アジアやオーストラリア北部などでは、重要な食用魚、またルアーフィッシングの好対象魚として知られています。

別名

観賞魚として流通する際には、輸入元の国名を冠して、オーストラリアンアカメ、インディアンアカメなどと呼ばれることがあります。また、一部の熱帯魚店ではシーパーチと呼ばれることもありますが、本来シーパーチはメバル科の魚を指す言葉です。アロワナの仲間にバラムンディという名前の魚がいますが、本種とは無縁です。

特徴

成魚は全長2m、体重60kgを超えることもあります。体は側扁しており、体高が高いのが特徴です。口は大きく、下顎が上顎よりも前に出ています。日本に分布するアカメと同属ですが、かつては同種とされていました。しかし、研究の結果、アカメは1984年に新種として分離されました。アカメとバラマンディはよく似ていますが、目に照明を当てると、アカメは赤く光るのに対し、バラマンディは金色に光ります。また、臀鰭の棘条の長さにも違いがあります。

生態

ペルシャ湾東岸から中国南部、台湾、そしてオーストラリア北部まで、東インド洋と西太平洋の熱帯域に広く分布しています。塩分に対する適応性が高く、沿岸の浅海、汽水域、河川を回遊しながら生活します。肉食性で、小魚や甲殻類などを捕食します。幼魚は水生昆虫も食べます。また、成長に伴い、オスからメスへと性転換することが知られています（雄性先熟）。

バラマンディは、生息地周辺では重要な食用魚として漁獲され、その癖のない白身は様々な料理に用いられます。また、小魚を貪欲に捕食することから、ルアーフィッシングの対象魚としても人気があります。

参考文献

岡村収・尼岡邦夫監修 山渓カラー名鑑『日本の海水魚』（アカメ科解説 : 宮原一）ISBN 4-635-09027-2
川那部浩哉・水野信彦・細谷和海編『山渓カラー名鑑 改訂版 日本の淡水魚』（アカメ解説 : 木下泉）ISBN 4-635-09021-3
鹿児島の自然を記録する会編『川の生き物図鑑 鹿児島の水辺から』（魚類解説 : 四宮明彦・米沢俊彦）南方新社 ISBN 4-931376-69-X
Lates calcarifer - Froese, R. and D. Pauly. Editors. 2008.FishBase. World Wide Web electronic publication. www.fishbase.org, version(09/2008).

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