カネトシガバナー

カネトシガバナー：平地と障害の両面で活躍した名馬

1995年生まれのカネトシガバナーは、日本の競走馬として長く記憶に残る活躍を見せました。その馬名は冠名「カネトシ」と、英語で重役などを意味する「governor」を組み合わせたものです。

競走馬時代の活躍

1998年の秋、カネトシガバナーは夏の上がり馬としてクラシック戦線に参戦。神戸新聞杯でキングヘイローなど強豪を相手に重賞初制覇を飾ります。続く菊花賞では距離に泣いて8着に終わりますが、その後愛知杯を制し、重賞2勝目を挙げました。古馬になってからはオープン特別で1度だけ連対するものの、勝ち星からは遠ざかり、晩年には2桁着順が目立つようになります。そこで新たな挑戦として障害競走へ転向します。

驚くべきことに、障害初戦で勝利を収めると、勢いに乗って東京ハイジャンプも制覇。平地と障害の両方で重賞競走を制した、まさにオールラウンドな活躍を見せました。2003年まで障害競走路線で活躍を続けました。

カネトシガバナーは、秋山真一郎騎手と小坂忠士騎手の重賞初制覇、そして両騎手にとっての初めてのGI競走騎乗馬という、大きな功績も残しています。さらに、三石川上牧場にとって初の重賞勝ち馬という記録も持ちます。

種牡馬時代とその後

競走馬を引退したカネトシガバナーは、日高スタリオンステーションで種牡馬となりました。しかし、特筆すべき産駒は生まれず、2008年には用途変更され種牡馬を引退。その後は野深スタリオンステーションで繋養され、功労馬としてその余生を過ごしました。2020年11月1日、25歳でその生涯を終えました。

血統と繋がる名馬たち

カネトシガバナーの血統は、サイビファバーの妹であるサイコーセレネを祖とする系統に属しています。この系統からは、2014年の日経賞で2着、天皇賞（春）で3着に入ったホッコーブレーヴ、そして2022年の新潟ジャンプステークスと阪神ジャンプステークスを制したホッコーメヴィウスといった活躍馬が出ています。さらに、牝系は月城（クレオパトラトマス）につながっており、その一族にはゴールドシップやコパノジングーといった名馬も含まれています。

カネトシガバナーは、競走馬としての華麗な活躍だけでなく、その血統を通して現代の競馬界に貢献し続けていると言えるでしょう。平地と障害の両方で重賞を制し、多くの騎手や関係者にとって忘れられない存在であり続ける名馬です。

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