クレオパトラトマス

クレオパトラトマスの略歴

クレオパトラトマスは、日本の競走馬として1930年代に活躍した名牝であり、現在の天皇賞の前身である帝室御賞典を制したことで、広く知られる存在となりました。彼女はデビューからわずか2週間後に行われた3戦目でその名を轟かせ、計り知れない才能を示しました。また、彼女の繁殖名は「月城」で、競走馬としての栄光を超え、優れた母としても名を刻んでいます。

戦歴

クレオパトラトマスは、デビュー戦を圧倒的な強さで勝利し、その後も好成績を収めました。第2戦ではレコード勝ちを果たし、3戦目では東上しながら帝室御賞典に出走します。このレースでは、4馬身差をつける圧倒的な勝利を収めました。参加馬は4頭で、彼女とタマナギは4歳の牝馬であり、対する古馬2頭はトーチとユキオミでした。各馬はそれぞれ1勝馬と2勝馬です。

その後、東京優駿大競走に出走しましたが、道悪の影響を受け1番人気にもかかわらず9着に敗れました。この後、クレオパトラトマスの弟であるクモハタが東京優駿（ダービー）を制し、姉の無念を晴らしました。

クレオパトラトマスは4歳まで現役を続け、彼女の最終戦では驚異的な72kgの斤量を背負いながらも見事に勝利を収めました。その強さから彼女は海外遠征の話題にも上りましたが、最終的には宮内省への返納が必要とされ、計画は白紙に戻されました。しかし、クレオパトラトマスの孫、ハクチカラは日本調教馬として初めて海外重賞を勝利する栄誉を手に入れました。

繁殖牝馬としての功績

引退後、クレオパトラトマスは繁殖牝馬として「月城」と名付けられ、多くの名馬を世に送り出しました。彼女の子孫には桜花賞優勝馬であるハマカゼ（繁殖名：梅城）や、中山大障害（秋）優勝馬のモモタロウが含まれています。さらには、孫の中にはハクチカラ、タカクラヤマが名を挙げ、曾孫には菊花賞を制したニホンピロムーテーやスイートフラッグがいます。

また、クレオパトラトマスの子孫としては、皐月賞、菊花賞、有馬記念、宝塚記念、天皇賞（春）の優勝馬であるゴールドシップが特に有名です。その他にもサンエイサンキュー、カネトシガバナー、ゴーゴーゼット、キングオブダイヤ、リンデンニシキといった多くの優秀な馬たちも彼女の血を受け継いで活躍しています。

結論

クレオパトラトマスは、日本競馬の歴史に名を刻む名馬であり、その活躍は現代においても多くの競走馬の血統に影響を与え続けています。彼女が残した血統は、戦前の名血を現代へと繋ぎ、多くの名馬を生み出したことから、まさに由緒ある系統と言えるでしょう。

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