カバルダ・バルカル共和国

カバルダ・バルカル共和国

カバルダ・バルカル共和国は、ロシア連邦に属する行政区画の一つで、北カフカス地域に位置しています。その成立は、カフカス系のカバルド人とテュルク系のバルカル人が共存する地域であることから始まり、民族自治共和国としての地位を持っています。その首都はナリチクであり、面積は約12,500平方キロメートル、人口はおよそ90万人に達します。

歴史

この地域の歴史は1774年に締結されたキュチュク・カイナルジ条約にさかのぼります。この条約により、ロシア帝国は地域へ勢力を拡大しました。1827年にはバルカリアがロシアに併合され、その後、1918年にはテレク・ソビエト共和国の一部として組み込まれました。1921年には、カバルディンとバルカールの地域が分割され、カバルダ・バルカル自治州が設立されました。さらに、1944年にはカバルダ・バルカル自治ソビエト社会主義共和国として公式に認められ、1989年にはアブハジア紛争が勃発しました。

地理

カバルダ・バルカル共和国は、地理的にも興味深い地域です。エルブルス山はヨーロッパで最も高い山として知られており、また、大カフカス山脈には17kmにも及ぶベゼンギスカヤ壁があります。これらの自然の驚異は、訪れる人々に素晴らしい景観と挑戦的な登山の機会を提供しています。

行政区画

この共和国の政治構造は、1990年から1992年までソビエト最高会議議長が最高位を担い、1992年から2011年までは大統領がその役割を引き継ぎました。2012年以降は、首長が行政のトップを務める形に変わっています。カバルダ・バルカル共和国では、主にモスクワ時間帯が使用されており、標準時はUTC+3です。夏時間は導入されておらず、過去には変化があったものの、基本的に安定した時間制度が維持されています。

住民

住民構成については、2010年の国勢調査に基づけば、カバルダ人が57.2%、ロシア人が22.5%、バルカル人が12.7%を占めたほか、オセット人、トルコ人、ウクライナ人、アルメニア人、高麗人、チェチェン人など、多様な民族が共存しています。これはこの地域の文化的多様性を表しています。

宗教

この地域の宗教的背景も興味深く、2012年の調査によると、人口の約70.8%がイスラム教徒であり、11.6%がロシア正教会に属しています。宗教はこの地域の文化や社会において重要な役割を果たしており、地域の伝統や生活習慣に深く根ざしています。

カバルダ・バルカル共和国は、その歴史的背景や文化的多様性、豊かな自然環境により、非常に魅力的な地域となっています。

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