カバルダ・バルカル自治ソビエト社会主義共和国

カバルダ・バルカル共和国

カバルダ・バルカル共和国（Кабардино-Балкарская республика）は、ロシア連邦の北カフカース地域に広がる自治共和国です。この地域は、カフカース山脈の中心部にあり、自然の美しさや多様な文化が魅力の一つとなっています。カバルダ・バルカルはその名の通り、カバルダ民族とバルカル民族の二つの主要な民族から成り立つ多民族国家で、それぞれ独自の言語や文化を持っています。

歴史的背景

カバルダ・バルカルの歴史は、18世紀から19世紀にかけてのロシア帝国とオスマン帝国の間の争いによって形成されました。この地域は最終的にロシアの支配下に入り、その後、1917年のロシア革命を経て、1921年には山岳自治ソビエト社会主義共和国に組み込まれました。1922年には、カバルダ・バルカル自治州が設立され、1936年には自治共和国に昇格しました．

この自治区は、ソビエト連邦崩壊まで存続し、その過程で数度の名称変更を経験しています。1944年にはスターリン政権下でバルカル民族が強制移住させられ、その際に彼らの名前が国家から削除されましたが、フルシチョフ政権下で1957年にバルカル人が戻り、再度元の名称を取り戻しました。1980年代には、自治共和国としての地位を保ちながらも多くの変化を迎えてきました。

地理

カバルダ・バルカル共和国は、12,500平方キロメートルの面積を持ち、数多くの美しい川と湖が点在しています。主な河川には、テレク川、マルカ川、バクサン川などがあり、地域の生態系に大きな影響を及ぼしています。また、標高5,642メートルのエルブルス山が最高峰であり、登山者や自然愛好者に人気のスポットです。

この地域は、氷河によって形成された多くの湖沼も特徴的で、山岳地帯に多く見られます。天然資源も豊富で、木材や各種鉱物（鉄、金、モリブデン、石炭など）が産出されるため、経済においても重要な役割を果たしています。さらに、ミネラルウォーターも豊富で、観光業の発展につながっています。

住民と文化

住民の人口は1987年時点で、都市人口が約450,000人、農村人口が282,000人とされています。民族構成はカバルダ人、バルカル人、ロシア人を主要なグループとしており、これらの民族が共存することで豊かな文化が栄えています。様々な伝統や習慣が融合した地域独自の文化が形成され、多彩な祭りや音楽、料理が魅力的です。

このように、カバルダ・バルカル共和国は、歴史的背景と地理的特性、そして多民族が共存する文化的な地域として、独自の魅力を持っています。

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