カベナント教会

カベナント教会

カベナント教会（英：Covenant Church）は、19世紀末にスウェーデンで誕生したプロテスタント系のキリスト教の教派です。その源流は、19世紀後半に北欧で盛んになった自由教会運動の流れにあります。当時のスウェーデン国教会のあり方に対して批判的な立場をとる人々の中から生まれた、リバイバル運動に根差した教派と言えます。

教派名である「カベナント（Covenant）」は「聖なる契約」という意味を持っています。これは、聖書に記されている全世界への福音宣教（大宣教命令）というキリスト教会に与えられた使命を、神との厳粛な契約として担うという、その創設者たちの強い決意と願いを表しています。

日本における宣教

日本におけるカベナント教会の歴史は、第二次世界大戦後の1949年に始まります。この年、北米にあるアメリカ・カベナント教会から宣教師たちが派遣され、来日しました。彼らは主に日本の関東地方、具体的には東京、神奈川、群馬、新潟といった地域で精力的に伝道活動を展開しました。この宣教師たちの働きを通して、これらの地に次第に教会が形成されていきました。

こうした宣教活動の中で、日本人信徒による独自の教会組織も生まれていきました。これが「日本カベナント教会」と呼ばれた団体であり、後に「日本カベナント教団」として組織化されました。

教派の将来を担う指導者、すなわち教職者を育成するため、1952年には「日本聖契神学校」が設立されました。この神学校は、カベナント教会系の教職者を育成するだけでなく、特定の教派に限定せず、様々なプロテスタント教派から学生を受け入れて教育を行う「超教派」の神学校としても、日本のキリスト教界において重要な役割を果たしています。

関連組織の発展と連携

日本におけるカベナント教会に関連する組織は、時代と共に統合や連携を経て発展していきます。1960年代には、日本人による団体であった日本カベナント教団と、来日した宣教師たちの組織が合同する動きが進みました。その結果、1967年に「日本聖契キリスト教団」が設立され、両者の働きが一つに統合されました。

これとは別に、1964年には「日本聖約キリスト教団」も設立されています。これらのカベナント教会をルーツとする諸団体は、日本の福音派教会内での連携を深めていきました。

具体的には、日本聖契キリスト教団や日本聖約キリスト教団といったグループは、後に「日本福音自由教会協議会」を結成し、協力体制を築きました。さらに、同盟福音基督教会もこの協議会に加わる形で連携を広げ、最終的にこれらの団体が協力し、「日本自由福音教会連盟」という形で、より広範な協力関係を結んでいます。これらの組織の連携は、日本のプロテスタント、特に福音派と呼ばれるグループの中におけるカベナント教会系の存在感を示すものと言えます。

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