大宣教命令

大宣教命令（だいせんきょうめいれい）

大宣教命令、または大使命（英語: The Great Commission）は、キリスト教における重要な教えであり、イエス・キリストがその存在意義と使命を信者に伝えた一連のメッセージを意味します。この命令は、全世界において信仰を広め、イエスの教えを知らしめるよう指示するものであり、新約聖書の中でも特に『マタイによる福音書』の28章19－20節に明記されています。

聖書における大宣教命令

新約聖書の中には、イエス・キリストが人々に教えを広めるようにと語った箇所が幾つか存在します。これらの記述は、イエスの生涯を描いた四つの福音書（マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネ）だけでなく、彼の弟子たちの活動を描く『使徒言行録』にも見られます。この中でも、特にマタイによる福音書がよく引用されることが多く、命令の内容が詳細に記されています。マルコによる福音書も短く明瞭で、理解しやすい言葉で記されているため、よく使用されます。

マタイによる福音書

マタイによる福音書では、イエスが弟子たちに対し、「全世界に行ってすべての国の人々を弟子にしなさい」という指示を与えています。さらに、教えを守るように伝えることも求められており、その後にはイエスが常に共にいることが約束されています。

マルコによる福音書

マルコによる福音書では、命令の要点が簡潔に示されており、「全ての被造物に福音を宣べ伝えなさい」と記されています。これにより、信者はさまざまな人々に神の言葉を届ける責任を持つことになります。

ルカによる福音書

ルカによる福音書では、イエスは弟子たちに聖霊の助けを求め、エルサレムから始めて全世界に神のメッセージを広めるようにと告げます。ここでも、弟子たちの使命が強調されています。

ヨハネによる福音書

ヨハネによる福音書では、大宣教命令は直接言及されていませんが、イエスが「あなたがたが私を遣わしたように、私も彼らを遣わします」と語るシーンがあり、弟子たちの使命が示唆されています。

使徒言行録

使徒言行録でも、イエスが復活後に弟子たちに向けて心の準備をして全国に出て行くように指示したことが述べられており、信者の使命が具体的に描かれています。

大宣教命令の出自

「大使命」という言葉自体が誰によって初めて使用されたかは不明ですが、19世紀に中国での伝道活動を積極的に行ったイギリスの伝道師であるハドソン・テイラーが、この教えを広める上で影響を与えたとされています。彼の活動は、キリスト教の伝道の重要性を再確認させるきっかけとなり、多くの信者の心に響くこととなりました。

まとめ

大宣教命令はキリスト教の信者にとって、信仰の核を成すものであり、教えを世界にも広めることが求められています。その教えは新約聖書全体にわたって繰り返し強調されており、信者が日々の生活の中で実践すべき重要な指針として位置づけられています。

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