カベール

『カベール』(Cabal) - アーケードのアクションシューティングゲーム

概要

『カベール』は、1988年にタイトーから登場したアーケード用のアクションシューティングゲームです。このゲームは、秘密結社ラバックの傭兵フレディーとケニーが、難攻不落のアリクソン要塞を壊滅させるという特命を受け、敵国に潜入するストーリーを持っています。

本作は、データイースト社からスピンアウトしたTADの初作品であり、プレイヤーはガンコンではなく、通常のアーケードコントローラー（アケコン）を使用して、自キャラを操作しつつ敵を撃つという新しいスタイルを取り入れています。これにより、従来のガンシューティングゲームと異なり、プレイヤーが自身のキャラクターを直接動かす必要があるという斬新な要素が加わりました。

ゲームプレイ

『カベール』のゲームプレイは、視点が地面に平行に設定されたフロントビューを採用しており、当時の主流であった見下ろし型のアクションシューティングゲームとは異なる革新的なアプローチを試みました。この視点は、ゲームの臨場感を高め、プレイヤーに新たな体験を提供しています。アーケードの画面内には、プレイヤーが操作するキャラクターが存在し、敵と戦うだけでなく、周囲の建物や地形をも破壊することができるのが特徴です。破壊したオブジェクトからは得点やアイテムが得られるため、プレイヤーは戦術的に周囲を利用しながらゲームを進めることが求められます。

また、ステージをクリアすると、プレイヤーキャラが独特のダンスを披露しながら画面奥に走り去る演出が行われます。このおちゃらけたBGMとともに繰り広げられる間抜けなガニ股ポーズは、データイースト作品に特有の「バカゲー」要素を引き立てています。このユーモラスな演出は『カベール』の象徴ともされ、その後の作品に影響を与える要因となりました。

ジャンルと影響

日本では特定のジャンル名がついていない『カベール』ですが、海外ではこのゲームがヒットしたことで「Cabal shooter」として知られるサブジャンルが確立されました。『カベール』のスタイルは、2D時代における擬似3Dアクションシューティングゲームの典型として、多くのフォロワーを生む結果となりました。代表的なタイトルには『ダイナマイトデューク』、『NAM-1975』、『ワイルドガンズ』、『罪と罰』、『銃武者羅』、『ゾンビ イン ワンダーランド』などがあり、これらも『カベール』の影響を色濃く受けています。

リリースと互換性

『カベール』は日本ではアーケード専用でリリースされましたが、海外では多くのコンシューマー機に移植されています。また、アーケード筐体には初期のトラックボールタイプと後期のジョイスティックタイプが存在し、ゲームセンサーにはタイトー製ではなく、テーカン製部品が使用されています。このため、他のテーカン作品やコナミの「コンバットスクール」といったタイトルとも一定の互換性があることで知られています。

続編と関連作品

続編として、『ブラッドブラザーズ』が制作されました。この作品は西部開拓時代を舞台としており、ゲームの演出スタイルには若干の変更が加えられています。本作の特徴でもあるステージクリア後のダンスは、より控えめなガッツポーズに変わりました。

『カベール』は、アーケードゲームの歴史において重要な位置を占めており、その影響は多くの後続作品に受け継がれています。

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