カホキア

カホキア（Cahokia）についての詳細

カホキアは、アメリカ合衆国イリノイ州コリンズビルに位置する、先住民が築いた大規模な遺跡です。この遺跡は、ミシシッピ文化期（おおよそ700年から1600年）に活発に栄え、特に12世紀から13世紀にかけての政治や宗教の中心地としての役割を果たしました。推定される当時の人口は約1万人で、広大な地域に120基以上のマウンドが築かれています。

カホキアの中心部は、防御を目的としたと考えられる柵で囲まれており、その中心には「中央広場」が存在します。この広場を取り囲むようにして構築された20基ほどのマウンドは、その重要性を物語っています。特に目を引くのが、モンクス＝マウンド（Monk's Mound）です。このマウンドは、広場の北に位置し、長さ316m、幅241m、高さ30.5mの壮大な規模を誇り、底面積ではエジプトのピラミッドやテオティワカンの太陽のピラミッド以上とされています。

また、カホキアのマウンドは単なる土盛りではなく、宗教的または祭儀的な用途を持つ神殿として機能したとされています。遺跡の発掘調査によって、これらのマウンドは墓としても利用されていたことが明らかになりました。墓には、社会的地位に応じたさまざまなタイプがあり、副葬品として貝殻ビーズやバイ貝、真珠、打ち出し細工の施された銅板などが見つかっています。中には、主人に殉死した従者の遺体が埋葬されたケースも確認されています。

1450年頃から、カホキアは衰退期に入り、人口過密や伝染病がその原因として考えられています。衰退していくカホキアの姿は、文化の変遷を示す歴史的な証拠ともなっています。

1982年には、カホキア・マウンド州立史跡としてUNESCOの世界遺産に登録され、その遺跡が持つ歴史的、文化的な重要性が評価されました。カホキアは、現存するまたは消滅した文化的伝統や文明を証明する貴重な証拠として、また人類の歴史上重要な時代を象徴する建築様式や技術の優れた例を示すものとして認識されています。

カホキアの遺跡は、これにより先史時代の北米大陸における文化の多様性や発展を知る手がかりとなっており、訪れる人々に対して、その歴史的な背景を伝える重要な役割を果たしています。

もう一度検索