カポウティ

カポウティ：輝きと影を併せ持った競走馬とその遺伝子

カポウティは、アメリカで活躍した競走馬にして種牡馬である。その名は、1980年代後半の競馬史に鮮やかな足跡を残した名馬として、今もなお競馬ファンの記憶に刻まれている。

華々しい2歳時代と挫折の3歳時代

1986年、カポウティはデビュー戦こそ11着と低迷するも、続くレースで初勝利を飾る。そして、ノーフォークステークスで早くも重賞初制覇。さらに、同年に行われたブリーダーズカップ・ジュヴェナイルでも勝利を収め、2歳シーズンは4戦3勝という輝かしい成績を残した。その活躍が評価され、カポウティはエクリプス賞最優秀2歳牡馬に選出される栄誉に浴した。

しかし、3歳シーズンは期待とは裏腹に苦戦を強いられる。クラシックレースの登竜門であるG2競走ゴーサムステークス、ウッドメモリアルステークスではいずれも4着に終わり、悲願のケンタッキーダービーでは競走中止という結果に終わった。その後もアローワンス競走で3戦するものの、勝利を掴むことはできず、3歳シーズンは大きな成功を収めることなく幕を閉じた。

種牡馬としての成功と晩年

競走馬を引退したカポウティは、カルメットファームで種牡馬としてのキャリアをスタートさせる。その後、カルメットファームの経営破綻に伴いスリーチムニーズファームへと移籍。同ファームで種牡馬として活躍し、多くの優秀な競走馬を輩出した。特に、フレシュマンサイアー（初年度産駒）ランキングでは2位にランクインするなど、その能力の高さを証明した。

Agincourt（フューチュリティステークス優勝）、Surfing Home（J&Bメトロポリタンステークス優勝）、ダンツダンサー（函館3歳ステークス優勝）、Matty G（ハリウッドフューチュリティ優勝）、ボストンハーバー（ブリーダーズカップ・ジュヴェナイル優勝）、セレクトグリーン（根岸ステークス優勝）、ティエッチグレース（BSN賞、バーデンバーデンカップ優勝）、ストロングボス（二十四万石賞2回優勝、建依別賞優勝）など、数々の活躍馬を送り出し、その血統は世界中に広がっていった。

さらに、母の父としてもその影響力は大きく、Dixie Union（ハスケル招待ハンデキャップ、マリブステークス優勝）、ナムラリュージュ（阪神スプリングジャンプ優勝）、Latent Heat（マリブステークス優勝）、Johnny Eves（マリブステークス優勝）、Mission Critical（ニュージーランドインターナショナルステークス優勝）、フェラーリピサ（兵庫チャンピオンシップ、エルムステークス、根岸ステークス優勝）、Cat Moves（プライオレスステークス、テストステークス優勝）、Line of David（アーカンソーダービー優勝）、Her Smile（ラブレアステークス優勝）、Teddy's Promise（ラブレアステークス優勝）、カポーティスター（日経新春杯優勝）、セイウンコウセイ（高松宮記念、函館スプリントステークス優勝）など、多くの活躍馬を輩出した。

2003年、カポウティは脊髄に神経系の病気を発症。その後、種牡馬を引退し、スリーチムニーズファームで余生を送る。手術は行われなかったものの、食欲不振などの症状は見られず、穏やかな日々を送っていたという。しかし、やがて病状が悪化し、2007年8月24日、安楽死の処置が取られた。

血統と未来

カポウティの血統背景には、半兄にエクセラー、近親馬にブロードブラッシュといった名馬がいる。彼の遺伝子は、現代の競走馬の世界に大きな影響を与え続け、多くの優秀な競走馬を生み出している。カポウティの生涯は、競走馬としての栄光と挫折、そして種牡馬としての成功と晩年の静けさ、様々なドラマを内包した、記憶に残る物語となっている。彼の血統は、これからも競馬界を彩り続けるであろう。

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