カマツカ亜科

カマツカ亜科 (Gobioninae) の詳細解説

カマツカ亜科は、コイ科に属する多様な魚類のグループです。およそ30属、200種もの種が含まれており、その生態や形態は多岐にわたります。多くの種は底生生活を送っており、下向きの口や小型化した鰾を持つことが特徴です。分布域は主に東アジアに集中していますが、一部はヨーロッパにも見られます。

カマツカ亜科の分類

カマツカ亜科は、系統発生的に以下の3つのグループに分けられます。最初の分岐はHemibarbus-Squalidus Groupで、残りの2つはSarcocheilichthyiniとGobioniniという大きなクレードです。以下に、各グループの詳しい分類と主な属、種を紹介します。

Hemibarbus-Squalidus Group

このグループは約30種を含み、以下の属で構成されています。

スゴモロコ属 Squalidus**: 14種（スゴモロコ、デメモロコ、イトモロコ、コウライモロコなど）
*ニゴイ属 Hemibarbus**: 12種（ニゴイ、ズナガニゴイ、コウライニゴイなど）
Belligobio: 2種

Sarcocheilichthyini

このグループは約40種を含み、以下の属で構成されています。

コレイウス属 Coreius**: 4種（ヒゲナガウオなど）
Rhinogobio: 5種（フンナガカマツカなど）
ネッカシマモロコ属 Paraleucogobio**: 1種（ネッカシマモロコ）
Gobiocypris: 1種
タモロコ属 Gnathopogon**: 9種（タモロコ、ホンモロコ、スワモロコ（絶滅）など）
*ムギツク属 Pungtungia**: 3種（ムギツクなど）
*モツゴ属 Pseudorasbora**: 4種（モツゴ、ウシモツゴ、シナイモツゴなど）
*ヒガイ属 Sarcocheilichthys**: 11種（アブラヒガイ、カワヒガイ、ビワヒガイなど）
*ヤガタムギツク属 Coreoleuciscus**: 2種（ヤガタムギツクなど）
*ミナガミヒガイ属 Ladislavia**: 1種（ミナガミヒガイ）
Paracanthobrama: 1種
クロムギツク属 Pseudopungtungia: 2種（クロムギツク、ホソムギツクなど）

Gobionini

このグループは約130種を含み、さらにGobio GroupとPseudogobio Groupに分けられます。

Gobio Group (ヨーロッパ～北東アジア産)

*タイリクスナモグリ属 Gobio**: 38種（タイリクスナモグリ、ネッカスナモグリ、ヨーロッパカマツカなど）
Acanthogobio: 1種
Mesogobio: 2種(アリナレカマツカ、トマンカマツカ)
Romanogobio: 18種（サンセイスナモグリなど）

Pseudogobio Group (アジア産)

Xenophysogobio: 2種
*ドジョウカマツカ属 Gobiobotia**: 18種（ズナガドジョウカマツカ、シラヒゲカマツカ、サメガシラなど）
*カマツカ属 Pseudogobio**: 4種（カマツカ、スナゴカマツカ、ナガレカマツカなど）
Platysmacheilus: 4種
ゼゼラ属 Biwia**: 2種（ゼゼラ、ヨドゼゼラ）
Huigobio: 2種
コブクロカマツカ属 Microphysogobio**: 25種（コブクロカマツカ、ムナイタカマツカ、タイワンカマツカなど）
*トカゲカマツカ属 Saurogobio**: 7種（トカゲカマツカなど）
*ツチフキ属 Abbottina**: 6種（ツチフキ）
Parasqualidus: 1種

生態と特徴

カマツカ亜科の魚類は、多様な環境に適応しています。多くは河川や湖沼の底で生活しており、砂や泥の中を動き回るために、下向きの口を持つ種が多く見られます。また、遊泳力が低い種も多いため、浮力を調節する鰾が小型化しているのも特徴の一つです。

分布

カマツカ亜科の魚類は、主に東アジアに分布しており、中国、朝鮮半島、日本などで多くの種が見られます。一部の種はヨーロッパにも分布しており、その多様性は地域によって大きく異なります。

まとめ

カマツカ亜科は、コイ科の中でも特に多様なグループであり、その分類や生態は非常に興味深いものです。本稿では、その分類と特徴について詳しく解説しました。これらの情報が、カマツカ亜科に関する理解を深める一助となれば幸いです。

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